6月18日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の東京市場は、前日の米国株高や中東情勢の沈静化期待、そして円安進行などを背景に、日経平均が続伸しました。終値は前日比225円高の38,536円となり、38,500円台を堅持しています。
市場の注目を集めていたのは、依然として中東情勢です。イスラエルとイランの間で一時は深刻な軍事的緊張が高まりましたが、トランプ前大統領が停戦に向けて積極的な外交姿勢を見せたことや、イラン側が交渉再開に前向きな姿勢を示したことで、市場全体に「最悪の事態は回避される」との見方が広がりつつあります。特に、イランの核開発問題における歩み寄りが外交的解決の糸口になるとの観測も出ており、リスク回避ムードは徐々に後退しています。
原油や金といったコモディティ市場は一時的に大きく反応したものの、為替市場は比較的落ち着いた動きにとどまりました。ドル円は144円台後半で推移し、これがハイテク株や輸出株の支えとなっています。為替相場に大きな変動が見られなかったことは、株式市場にとってはむしろポジティブな材料だったと言えます。
また、本日は日銀の金融政策決定会合があり、政策金利は市場予想通り0.5%で据え置かれました。注目された国債買い入れについても「2026年4月から毎四半期2000億円ずつの減額」とし、事前の観測通りの内容となったことから、サプライズは限定的でした。長期金利(10年債利回り)はやや上昇しましたが、全体的にはイベント通過による安心感が相場を支える形となっています。
業種別では、その他製品や非鉄金属、電気機器、機械、電力・ガスなどが堅調に推移しました。アドバンテスト、ディスコ、東エレクなどの半導体関連銘柄がしっかりと買われたほか、IHIやソフトバンクグループ、東京電力、任天堂なども上昇しました。反面、鉄鋼や海運業、医薬品といった一部セクターでは利益確定売りが優勢となりました。
取引後に控える植田日銀総裁の記者会見を前に、後場はやや様子見ムードが強まりましたが、全体としては堅調な地合いが維持された一日でした。
為替に関しては、ドル安トレンドが続いてはいるものの、直近ではドル円がじわりと円安方向に進んでおり、輸出関連株には追い風が吹いています。ただし、為替の方向性自体は日米金利差に依存している部分が大きく、今週のFOMCの結果やパウエル議長の発言内容によって再び変動する可能性があります。
今後の焦点は米FOMCです。市場では金利据え置きが既定路線とされており、サプライズはなさそうですが、問題はその後の「姿勢」です。年内2回の利下げを織り込んでいる市場と、タカ派寄りのスタンスを維持したいFRBの姿勢とのギャップがどう埋められるかが注目されます。
また、地政学的リスクは沈静化に向かいつつあるとはいえ、依然として不確実性は残ります。過度な楽観は禁物ですが、日経平均は38,000円台を底堅く維持しており、テクニカル面では下値を切り上げる動きが見られます。
現時点では、「高値警戒感」と「イベント通過による安心感」がせめぎ合う状況です。為替市場もドル円が145円に迫る水準を維持しており、輸出企業にとってはプラス材料です。ただし、為替要因はボラティリティが大きいため、過度な期待はリスクとなり得ます。
今後は米国の経済指標や企業業績に加えて、日本企業の第1四半期決算の内容や業績修正の動向が一層重要となります。中小型株やテーマ株(半導体、生成AI、再エネ関連など)にも選別色が強まりそうです。
日経平均は38,000円台中盤でのもみ合いを続けつつも、押し目では買いが入りやすい地合いとなっています。中東リスクの一時的な後退、日銀イベント通過、そして米FOMC前の持ち高調整が相まって、当面は「やや強気の中立」といった姿勢が適切かと思われます。短期的には39,000円台の突破を意識しつつ、しばらくは高値もみ合いが続く可能性が高いでしょう。