7月11日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日(7月10日)の東京市場は、円高の進行と材料難が重なり、日経平均株価が3日ぶりに反落する展開となりました。大引けでは前日比174円92銭安の3万9646円36銭、TOPIXも15.82ポイント安の2812.34ポイントで取引を終えました。寄り付きから指数連動型ETFの分配金捻出に絡んだ売りが警戒され、加えて円高が進んだことで輸出関連株を中心に重しとなり、相場全体が軟調なムードに包まれました。
為替市場では、ドル円が146円台前半から145円台後半へと下落し、このところの円安トレンドに一服感が見られました。背景には、本邦超長期債利回りの上昇一服がありますが、20年債入札通過後には再び利回りが上昇するなど、日本の国債増発懸念が根強く、円売り圧力も引き続き意識されています。ユーロ円やポンド円、豪ドル円といったクロス円では再び円安方向へと振れ、為替全体としては方向感に乏しいながらもやや円売り優勢といったところです。
米国市場では、トランプ政権の関税政策に対する姿勢が若干柔軟化したことを受けて安心感が広がり、ナスダック総合指数は史上最高値を更新しました。とくに半導体株の主力であるエヌビディアが上昇を牽引しており、全体としては底堅い展開でした。日本市場もこの米株高を好感するムードはあったものの、円高進行と利食い売りが重なり、買いの勢いにはつながりませんでした。
業種別では、33業種中26業種が下落。特に電気・ガス、石油・石炭製品、海運、小売、電気機器など景気敏感なセクターが総じて売られました。一方、証券商品先物や精密機器など一部のディフェンシブセクターは底堅さを見せ、建設関連にも買いが入りました。個別銘柄では、古野電気が好決算を受けて大幅高となったほか、GMOインターネットやWOWOW、コシダカHDなども上昇。半面、SHIFTやウイングアーク1stなどは業績や材料出尽くしの警戒感から大きく売られました。
明日以降の見通しは、まず為替市場ではドル円の145円台後半~146円台前半が意識されるレンジとなりそうです。日本の国債増発懸念に伴う長期金利の動向と、海外要因としてのFRBメンバーの講演内容がカギとなります。米経済指標が少ない週ということもあり、為替は方向感に欠ける展開が続くでしょう。
日本の政治情勢(参院選)や財政懸念、米中通商政策の行方が投資家心理を左右します。一方で企業決算シーズンを控えており、業績への期待感が再び相場を押し上げる場面もあるでしょう。日経平均は依然として4万円を意識した水準にありますが、ここを明確に抜けるには新たな好材料が必要です。
テクニカル的には、日経平均は25日移動平均線(現在およそ3万9100円)を下値のサポートとし、上値は4万円を目前にやや重たい印象です。MACDやRSIなどのオシレーター系指標も過熱感が和らいでおり、一旦の調整局面にあると考えられます。現状はレンジ内でのもみ合いながら、下値の堅さも見えるため、個別物色中心の相場が続くとみられます。
今週は調整色が濃くなるものの、為替の安定と米株の強さが続けば、再び日経平均も4万円台チャレンジに向けた下地を整える展開が期待されます。今後も為替と金利の動きに注意を払いながら、堅調な業績を背景にした個別株への選別投資がカギとなりそうです。