7月15日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の為替市場では、トランプ前大統領がEUおよびメキシコに対して30%の関税を課す可能性を示唆したことを受けて、リスク回避姿勢が見られましたが、円買いとドル買いが交錯するなど、方向感には乏しい展開となりました。ドル円は147円台前半から半ばのレンジでの上下動が続き、積極的なポジション構築には慎重さがうかがえます。背景には、トランプ関税の「TACO(Trump’s Announced Customs Offense)」的性格、つまりパフォーマンス色が強く一時的な材料との見方が定着していることも影響しており、リスク回避の円買いも持続的な動きにはつながっていません。
国内市場では、7月20日の参議院選挙を控え、自民・公明連立与党が過半数を維持できない可能性が意識され始めており、政局不透明感が円安圧力となっています。加えて、日本の超長期債利回りに上昇圧力がかかる中で、円の上値も限定的となっています。
株式市場に目を向けると、日経平均株価は前日比110円06銭安の3万9459円62銭と3日続落で引けました。朝方から米国株安の流れを受けて軟調にスタートし、前場は一時280円超下落しましたが、後場には押し目買いも入り一時プラス圏を回復する場面もありました。ただ、買いは続かず、結局は再び売り優勢の展開で大引けにかけてマイナス圏での着地となりました。米国がカナダに対して35%の関税を通知したことや、FRBの利下げ観測の後退が投資家心理を冷やし、全体的に方向感の乏しい動きが続いています。
業種別では、情報通信やその他製品、空運、陸運などが下落した一方、電気・ガス、機械、不動産など一部業種には買いが入っており、物色の広がりには乏しいながらも、防衛関連やエネルギー関連など一部に資金が向かう展開となりました。個別銘柄では、三菱重工や川崎重工、IHIなどの防衛関連株が堅調だったほか、ファーストリテイリングやトヨタ、日立など主力株の一角にも買いが入りました。一方、JINSホールディングスやジェイテック、日本新薬などが大きく売られ、好決算後の出尽くし感が広がる銘柄には厳しい値動きも見られました。
明日には注目の米6月消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、インフレの鈍化傾向が続いているか否かに注目が集まります。トランプ氏によるFRBへの利下げ圧力も強まっており、物価統計が市場の利下げ観測にどのような影響を与えるかが焦点です。結果次第では為替・株式ともにボラティリティの高まる可能性があります。
今後の株価動向については、米インフレ指標や国内政局への警戒感が引き続き重しとなる一方で、米国の長期金利上昇を受けた円安進行が輸出株を下支えする構図も継続すると考えられます。ただし、選挙を控えた日本政治の不透明さや、米中・米欧の貿易摩擦といった外部環境リスクが強まれば、上値は重くなりやすく、株価は短期的には方向感を欠いた神経質な展開が続く可能性が高いと見られます。明日のCPIを通過しても材料不足の状態が続けば、下値は限定的ながらも、上値も重いボックス圏での推移が当面は予想されます。