5月23日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
5月22日の相場
5月22日、東京株式市場は続落。日経平均株価は前日比313円安の36,985円87銭と,節目とされる3万7,000円を2週間ぶりに割り込む展開となりました。朝方から売りが先行し、午後には一時443円超安まで下げ幅を拡大。買い材料に乏しく、戻りは限られた印象です。
下落の直接的なきっかけとなったのは、前日の米国市場の大幅安。ダウ平均は816ドル安、ナスダックも続落し、米国では株・債券・ドルがそろって下落する「トリプル安」に。特に欧州中央銀行(ECB)が公表した金融安定報告で、米トランプ前大統領の関税政策への懸念が改めて指摘されたことも市場の不安心理を刺激しました。
東京市場でもこの流れを受けて、リスクオフムードが広がり、朝から売り優勢。為替市場で円高が進んだことも輸出株に重しとなりました。後場にかけては押し目買いの動きもみられましたが、戻りは鈍く、3万7,000円の大台を回復するには至りませんでした。
業種別では、輸送用機器、空運業、石油・石炭製品、卸売業、鉱業などが下落。とくにトヨタをはじめとする自動車関連の弱さが目立ちました。一方、非鉄金属や医薬品、海運、倉庫・運輸関連などはプラスを確保。古河電工や三井金属といった素材株が、中期経営計画などの好材料を受けて買われたのが印象的でした。
個別では、米SOX指数の下落を受けてアドバンテストや東京エレクトロン、ルネサスなど半導体関連株が軟調。一方、中外製薬やテルモ、塩野義製薬など医薬品株が日経平均の下支え役に。円高進行を好感して、ニチレイやZOZO、良品計画といった内需・円高メリット銘柄もしっかりした動き。
東証プライム全体の騰落では、値上がり31.2%に対して、値下がりは65.3%と売りが優勢な地合い。売買代金も4兆円を超えており、下げ相場ながら一定の売買エネルギーが伴っている点は注目されます。
米国では今晩、注目の経済指標――新規失業保険申請件数、PMI速報値、中古住宅販売件数――の発表が控えており、相場の方向感は依然として不安定です。東京市場としても、円相場や米金利動向に目を光らせる日々が続きそうです。
3万7,000円というラインを割り込んだものの、一定の押し目買いは入っており、下値への警戒感と同時に、「買いたい意欲」も感じられる一日でした。神経質な地合いが続く中でも、テーマや材料のある銘柄にはしっかりと資金が入っている点は投資家にとってのヒントになりそうです。