7月2日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
1日の東京株式市場は、6営業日ぶりに反落となり、心理的な節目である4万円を割り込みました。日経平均株価は前日比501円06銭安の39,986円33銭と大幅安で引け、TOPIXも20.77ポイント安の2,832.07ポイントと下落しました。前日までの5日続伸で2,100円を超える急上昇を演じていたこともあり、短期的な過熱感に対する警戒が広がっていたところに、為替市場での円高進行や通商交渉を巡る不透明感が重なり、利益確定売りが優勢となりました。
前夜の米国市場は堅調で、S&P500種指数とナスダック総合指数はともに過去最高値を更新しています。トランプ政権による税制改革案の進展や、米中・米加の通商交渉に対する楽観的な見方が支えとなりましたが、米国の半導体株指数であるSOX指数の上昇は限定的であり、この点が東京市場においては半導体関連株への買い手控え要因となりました。また、トランプ前大統領が日本との通商交渉で自動車や農産物の不公平性を強調する発言を行ったことも、投資家心理を冷やす一因となっています。
ドル円相場は143円台前半まで円高が進行し、ユーロドルも一時1.18台まで上昇しました。ドル指数は連日で年初来安値を更新しており、ドル安基調が続いています。米早期利下げへの期待が強まっており、これにより金利差縮小を意識した円買いが進行する構図です。ドル売りの流れは断続的ながらも着実に進行しており、日本株市場においては輸出企業を中心に売り圧力が強まりやすい地合いが続いています。
この日の東京市場では、その他製品やサービス業、医薬品株などが売られ、任天堂やリクルートHD、中外薬、第一三共などが軟調に推移しました。また、キーエンスやソニーグループ、日立などの電気機器株も下げ、輸送用機器ではトヨタや日産自動車などが値を下げています。半導体関連では、レーザーテックや東エレクが軟調となり、米SOX指数の鈍い動きが東京市場でも響いた格好です。一方で、東京電力や中部電力などの電力株、JPXやクレセゾンなどの金融株は堅調でした。個別銘柄では、象印マホービンが業績上方修正と増配・自社株買いを材料に急騰したほか、千葉興業銀行、日本コンセプト、東洋エンジニアリングなども買われました。
午後には日銀の新たな審議委員にタカ派色の強い人物が就任し、その初会見にも注目が集まりました。前任のハト派・中村委員と比較して金融政策に変化が生じる可能性も意識されています。為替に影響を及ぼす米国の経済指標としては、ISM製造業景気指数、JOLTS求人件数、建設支出などの発表が控えており、特に週後半の米雇用統計と併せて、米国景気の実態が改めて問われるタイミングとなります。これらの数字次第では、米債利回りとドル相場が大きく動意づく可能性があるため、株式市場にも波及する展開が予想されます。
また、ラガルドECB総裁やパウエルFRB議長、植田日銀総裁などが出席する国際会合では、政策転換の兆しが見られるかどうかに市場の関心が集まっています。ここでのスタンス次第では、金利・通貨・株式の三市場にわたるポジション調整が一段と活発化する可能性も否定できません。
今後の相場見通しとしては、米景気指標の一進一退や通商問題の動向がカギを握ります。特に、日米関税交渉で日本が標的とされるような展開となれば、円高が一段と進行し、日本株全体に下押し圧力がかかりやすくなります。一方で、米国が本格的な利下げサイクルに入るようであれば、グローバルに株式市場へは資金流入の追い風が吹く可能性があり、押し目買いのチャンスも生まれる局面となるでしょう。
テクニカル面では、日経平均が終値で4万円を割り込んだことで、目先の調整色が強まった印象です。次の下値支持ラインとしては、25日移動平均線が位置する39,300円近辺が意識されます。これを明確に下回るようであれば、38,500円〜38,800円ゾーンが次の重要な支持帯として機能するかに注目したいところです。依然としてRSIやストキャスティクスなど短期指標では過熱感が残っており、今週は米経済指標や政策イベントを控えるなかで、神経質な値動きが続く可能性が高いと考えられます。
全体として、強気相場の中の調整局面という位置づけにあり、基本スタンスは押し目を丁寧に拾う戦略が有効ですが、通商問題や為替の変動には引き続き警戒が必要です。今週の動きが今後の夏場相場に向けた地固めとなるのか、それとも反転の兆しとなるのか、重要な岐路に差しかかっています。