7月23日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の日経平均株価は、前週末比44円19銭安の39,774円92銭と続落しました。東京市場は3連休明けの取引となりましたが、参院選で与党が過半数割れとなったこともあり、政治的不透明感が市場心理の重しとなりました。ただし、この結果については事前にある程度織り込み済みとの見方が強く、朝方は買い戻し主導で一時的に4万円台を回復する場面も見られました。しかし、4万円という心理的節目に到達したことがむしろ利益確定売りを誘発し、後場からは軟調に転じる展開となりました。取引後半には目立った材料もなく、様子見ムードのなかで下げ渋る動きとなっています。
セクター別では、医薬品、精密機器、その他製品といったディフェンシブや業績が慎重視されやすい業種が売られました。具体的には中外製薬や第一三共、オリンパス、HOYA、任天堂、アシックスなどが下落しており、決算発表を控えた不透明感や、為替の影響を織り込みにいく動きも感じられます。一方で、鉄鋼、非鉄金属、機械などの景気敏感株が買われ、日本製鉄、JFE、住友鉱山、フジクラ、IHIなどが堅調でした。これらの銘柄には、円安基調の為替による業績押し上げ期待や、米中インフラ需要の恩恵を受けるとの見方が背景にあります。
為替は、ドル円相場が選挙後の週明けに一時円高方向に振れたものの、147円割れには至らず、現在は147円台後半へと買い戻されています。全体としては、先週末の148円台後半から147円台前半までのレンジに収まっており、目先はこのボックス圏でのもみ合いが続く可能性が高いと見られます。一方、ユーロドルなどのドルストレートは、7月に入ってからの緩やかなドル高基調が一服し、現在は1.15台半ばから1.17台前半でのレンジ相場を形成しています。為替の方向感が乏しいなか、株式市場でも材料難からリスクオン・リスクオフのバランスを測る地合いが続いています。
個別株は、東エレク、ソニーG、トヨタ、キーエンスなど主力どころが売られる一方で、ディスコやアドバンテなどの一部の半導体株が底堅く推移しました。また、原発関連の報道を受けて三菱重工が大幅高となるなど、テーマ性のある銘柄に資金が集中する傾向も見られています。その他、ソディックやアドバンスクリエイト、ACCESS、GMOインターネットなどは需給要因や資本政策に絡む動きから大きく売られました。
ここからの相場は、全体感としては不透明感が依然として強く、投資家心理は慎重なスタンスを継続しています。特に米国では、インフレ圧力とそれに伴う金利政策を巡っての読み合いが続いており、トランプ前大統領によるパウエル議長への圧力報道や、FRB内部のスタンスに関する思惑がマーケットの変動要因となっています。今週は米経済指標の発表が限られていることから、こうした政治的な要素や、企業決算への注目度がより高まっていくと予想されます。
日本では、与党の参院過半数割れという政治的不安要素がくすぶるなか、石破首相の続投表明による短期的な安堵感があるとはいえ、中長期的には税制・外交・通商交渉への影響を市場がどう織り込むかが焦点となります。日米関税交渉の行方、さらにイラン情勢や欧州との関税摩擦など、グローバルリスクも意識されるため、積極的にリスクを取りづらい地合いが続きそうです。
日経平均は4万円という心理的節目を何度か試しては跳ね返されており、しばらくは39,500円〜40,200円の狭いレンジでの推移が基本線と見られます。特に25日移動平均線(現在約39,200円付近)が下値サポートとして意識される可能性が高く、この水準を明確に割り込むようだと一段の下落圧力が強まる懸念があります。
今後の相場の注目点としては、まず7月末から8月初旬にかけて本格化する日本企業の決算発表です。ここで業績が市場予想を上回るようであれば、選別色の強い個別物色が活発化し、指数全体を引き上げる可能性もあります。特に半導体やインフラ関連、再生可能エネルギー・原発関連といった中長期で成長期待のあるセクターに対しては、押し目買いスタンスが有効と考えられます。
現在のマーケットは、政治・為替・企業業績という三つの材料をにらみながら、やや方向感を欠いた動きが続いていますが、悲観に過度に傾いている状況ではなく、あくまで調整局面にあるとの見方が妥当です。今後の株価は、一時的に下値を探る場面もあり得るものの、業績好調な銘柄を中心に下値を拾う動きが広がるとみられ、8月に向けて再び4万円台回復を試す展開も十分に視野に入ってきます。特に、鉄鋼・非鉄・電力・原発関連など政策テーマと業績が結びつく銘柄には引き続き注目していきたい局面です。