7月29日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の日経平均株価は、前日までの大幅な上昇を受けた反動で、利益確定売りが優勢となり3日ぶりに反落しました。前日比370円11銭安の4万1456円23銭で引け、24日までの2日間で合計2000円以上上昇していたことから、短期的な過熱感が意識された格好です。東証株価指数(TOPIX)も25.69ポイント安の2951.86ポイントと4日ぶりに下落しました。週末を控えたポジション調整の動きも加わり、日中を通じて売りが優勢となる展開でした。
セクター別では、化学や鉄鋼、輸送用機器などが目立って下落し、任天堂やアシックスといったその他製品株や、トヨタやデンソーなどの自動車関連株が軟調に推移しました。また、キーエンスやキヤノン、ソニーGといった電気機器株も売られました。個別では、決算が嫌気された信越化学や、メドピア、アマノ、三菱自動車などが大きく値を下げました。
一方で、海運や倉庫運輸株が堅調で、日本郵船や商船三井、三菱倉庫、三井倉庫HDなどが買われました。また、半導体関連株の一角も底堅く、ディスコやアドバンテスト、ソシオネクストなどが上昇しました。フジクラ、ソフトバンクG、ニデック、古河電工、IHIなども値を上げました。
為替は、東京時間の午後にかけてドル円がやや円高方向に振れました。これは、日米通商合意によって不確実性が低下したことを受け、日銀の利上げ環境が整う可能性が取り沙汰されたことが背景にあります。市場ではこのような観測報道を通じて金融当局が市場の反応を見極めている面もあり、今後の報道の内容に一段と注目が集まりそうです。
今後の株価の動きを考えると、先週末の時点では「今週前半は4万1,000円を巡る攻防になるのでは」と見ていましたが、本日はあっさりと割り込む形となり、想定より少し地合いが弱いことが示されました。この流れを受け、明日・明後日も引き続き下値を探る展開が続く可能性があります。ひとまず下値の目処としては、先週末にも意識された4万500円あたりがターゲットになるかもしれません。ただ、ここまで下がると押し目買いも入りやすくなるため、重要イベントを前に大きく下値を掘るというよりは、この水準で一進一退の動きとなる可能性も考えられます。
勝負どころは、やはり日米の金融政策会合と米雇用統計の結果が判明する今週後半です。ここで考えられるシナリオは大きく二つです。まずポジティブなシナリオとしては、アメリカのFOMCでパウエル議長が市場の期待通りか、それ以上にハト派的な姿勢を示し、かつ日銀の会合で追加利上げを急がない慎重なスタンスが確認され、さらに週末の米雇用統計が強すぎず弱すぎない結果となるケースです。この三つの条件が揃えば、市場の懸念が払拭され、一気に買い戻しが強まるでしょう。その場合、まずは4万1,000円台をすぐに回復し、週末にかけては直近高値圏である4万1,500円から4万2,000円を目指す力強い反発が期待できます。
一方で、警戒すべきネガティブなシナリオは、これらのどれか一つでも市場の期待を裏切る結果となる場合です。例えば、日銀から想定外のタカ派的なメッセージが出てきたり、パウエル議長がインフレへの根強い警戒感を示して利下げ期待を削いだりすれば、相場は一気にリスクオフに傾くでしょう。その場合、本日の安値を下回り、まずは4万円の大台を維持できるかが焦点となります。もしここも割り込むようなら、テクニカル的な節目である3万9,500円あたりまでの下落も覚悟する必要が出てきます。今週は、まさに今後の相場の方向性を決定づける天下分け目の数日間となりそうです。