8月25日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の東京株式市場は、今夜に控えるパウエルFRB議長の講演を前に、終日方向感に欠ける展開となりました。日経平均株価は4日ぶりに小幅ながら反発しましたが、これは前日までの3日間で1100円以上下落した反動から、自律反発を狙った買いや押し目買いが入った形です。寄り付き後はしっかりした動きを見せたものの、最大の注目イベントを週末に控えていることから様子見ムードが強く、後場はマイナス圏で推移する時間帯もありました。しかし、大引けにかけて買いが入り、かろうじてプラス圏で取引を終えています。
業種別では保険、証券、銀行など金融株が買われ、三菱UFJや東京海上、大和証券、野村などが堅調でした。加えて非鉄金属や鉱業、電力・ガス株にも買いが入り、住友電工や三井金属、東電力HD、関西電力などが上昇しました。一方、化学や空運などのディフェンシブ以外の一角は弱く、信越化学や花王、JAL、ANAなどが下落しました。個別ではソフトバンクG、サンリオ、ソニー、レーザーテック、KDDIなどが上昇する一方、ファーストリテイリング、東京エレクトロン、キーエンス、リクルート、ダイキン、ファナックといった主力株の一部は軟調となりました。
市場の注目はパウエル議長だけでなく、同じくジャクソンホール会議に出席する日銀の植田総裁の発言にも集まっています。今後の利上げの可能性など、金融政策の正常化に向けた踏み込んだ発言が出た場合、為替相場が円高に振れる可能性があり、日本株の上値を抑える要因となるため注意が必要です。
今後の相場の動きは、すべてが日本時間午後11時からのパウエル議長の講演内容にかかっていると言っても過言ではありません。8月の弱い米雇用統計を受け、市場は9月の利下げを強く織り込んでいます。この期待に沿う形で、議長がデータに基づいた冷静な分析のもと利下げを示唆するようなハト派的な内容となれば、市場に安心感が広がり株価は素直に上昇するでしょう。しかし、根強いインフレへの懸念を理由に利下げに慎重なタカ派的な姿勢が示されれば、期待が剥落し、失望売りから株価は下落圧力を受けることになりそうです。
日経平均株価は3日続落の後の小反発にとどまっており、明確な方向性は出ていません。まさにジャクソンホール会議という大きなイベントを前に、上にも下にも動きにくい膠着状態にあります。講演結果という強力な材料を受けて市場がどちらかに大きく動くことで、今後の短期的なトレンドが形成されることになります。テクニカル的には直近高値の4万3800円付近が上値抵抗線として意識される一方、4万2000円前後が下値サポートとして機能しており、このレンジを抜け出すかが焦点です。移動平均線では25日線が追い風となるものの、出来高を伴わない上昇では上値追いに限界も見えることから、当面は講演後の市場の反応を見ながら、改めて重要な価格帯の節目を試す展開が想定されます。