8月29日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の相場は、月末週特有の材料難のなかで方向感を欠く展開が続きました。為替市場ではドル相場が日替わりで上下動を繰り返しており、主要な米経済指標の発表待ちという姿勢が強く、新たな流れを形成する兆しはまだみられません。本日は米実質GDP改定値や新規失業保険申請件数、中古住宅販売成約指数といった指標が予定されており、結果次第ではドルを中心に相場が動意づく可能性があります。特にGDPについては個人消費や純輸出の寄与度が上方修正されるとの見方があり、予想を上回る内容となればドル買いにつながるとの期待もあります。
株式市場では、米エヌビディアの決算発表を巡る警戒感から朝方は売りが先行しましたが、その後は押し目を拾う動きが広がり日経平均は続伸しました。終値は前日比308円高の4万2828円と高値引けとなり、TOPIXも3日ぶりに反発しました。AI需要の強さが再確認されたことが投資家心理を支え、関連銘柄を中心に物色が広がったことが背景にあります。業種別では鉱業や非鉄金属、保険、卸売、建設など幅広い分野が買われた一方、小売や繊維など一部業種は軟調でした。個別銘柄ではソフトバンクグループや東エレク、中外製薬、トヨタ通商などが上昇する一方、ダイキンやファナック、7&iHD、エムスリーなどは下落しました。
為替については、今晩の米経済指標発表を控え模様眺めの姿勢が強いものの、失業保険申請件数が予想通り減少すればドルの底堅さが意識されやすい展開となりそうです。ただし、ウォラーFRB理事の講演が予定されており、トランプ大統領との関係性や金融政策スタンスへの言及がドル売りにつながる可能性も残されています。
今後の株価の動きをテクニカル面からみると、日経平均は高値圏での推移が続いており、上昇トレンドを維持しながらも短期的な過熱感に注意が必要な水準です。押し目が入った際にどこで下げ止まるかが重要で、4万2000円台前半が下値の目安となりそうです。
ここからは米金利動向やAI関連需要の持続性が引き続き株価の方向を決める鍵となります。今週の米GDPや来週の雇用統計の内容次第ではFRBの利下げ観測が強まる可能性があり、これは株式市場にとっては追い風となり得ます。総じて、テクニカル的にはやや高値警戒感が出る一方、ファンダメンタル的には景気や企業収益の底堅さが支えとなり、調整を挟みつつも上昇基調を維持する展開が想定されます。