9月5日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の東京市場は、明日の米8月雇用統計発表を控えつつも、前日の下落の反動や海外株高の流れを受けて買い優勢の展開となりました。前回7月の米非農業部門雇用者数が予想を下回り、過去分も大幅下方修正されたことで雇用統計への信頼感が揺らぐ中、市場は今回の結果を見極めようとする姿勢が強まっています。昨日発表された7月JOLTS求人件数が予想以上に減少し、ドル売りが広がった経緯もあり、雇用関連指標への反応は敏感な地合いです。本日はADP雇用統計や新規失業保険申請件数、ISM非製造業景況指数などが予定され、これらが明日の雇用統計への事前材料として注目されます。
東京市場では、米国株がまちまちの展開ながらもナスダックが続伸したことや、アルファベットの反トラスト訴訟における規制懸念の後退が投資家心理を支え、ハイテクや非鉄、医療など幅広い業種に買いが入りました。日経平均は寄り付きから堅調に推移し、午後には一時669円高まで上昇、その後も高値圏を維持して大引けを迎えました。為替は1ドル=148円20銭台と小動きで、円安基調は続くものの株価への直接的な押し上げ効果は限定的でした。業種別では銀行、非鉄金属、保険などが上昇率上位となり、鉱業やゴム製品、化学などが軟調でした。東証プライム市場では約7割の銘柄が上昇し、海外投資家の買い意欲が需給面を下支えしました。
ここからの注目点は明日の米雇用統計です。市場の予想と結果が再び大きく乖離するようなことになれば、米国の金融政策への思惑から長期金利や為替が大きく変動し、株式市場もその影響を強く受けることになります。もし雇用が強い数字を示せば、インフレ懸念から金融引き締めが意識され株価の重しとなる一方、弱い数字であれば利下げ期待が高まるものの、景気後退への懸念も台頭する可能性があり、結果を素直に好感できるかは不透明です。この米雇用統計の結果と、それに対する市場の反応が、今後の相場の方向性を占う上で最も重要な鍵となるでしょう。
テクニカル的には、日経平均が25日移動平均線を支持線として意識されており、現状では下値の支えが強いと見られます。ただし、上値の重さも感じられ、特に重要な経済指標発表前は慎重な姿勢が求められる局面です。