9月8日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の東京株式市場は、米国の日本車への関税引き下げを好感し、続伸となりました。日経平均株価は438円48銭高の4万3018円75銭と、約半月ぶりに終値で4万3000円台を回復し、堅調な地合いが続いています。
朝方は、ホワイトハウスが日本の自動車および自動車部品に対する追加関税を15%に引き下げると発表したことが大きな支援材料となりました。税負担の軽減が評価され、輸送用機器や鉄鋼、精密機器など幅広い銘柄に買いが先行しました。日経平均は一時640円以上上昇する場面もあり、市場の期待感の高さがうかがえます。ただ、その後は今夜に発表を控える8月の米雇用統計への警戒感から、上値の重い展開となりました。結果を見極めたいとする投資家も多く、高値圏でのもみ合いが続きました。為替相場については、1ドル=148円台前半で比較的落ち着いた値動きとなっており、株式市場への影響は限定的でした。
5日夜の海外市場では日本時間5日午後9時30分に発表される8月の米雇用統計が最大の注目材料です。非農業部門雇用者数は前回とほぼ同水準の7.5万人増が予想されていますが、市場では結果が予想から大きく乖離することへの警戒感がくすぶっています。最近の経済指標が弱含む内容だったこともあり、今回も雇用の弱さが示されれば、FRB(米連邦準備理事会)による9月の利下げ幅が0.50%になるとの見方が強まる可能性があります。一方で、予想を上回る強い結果となれば、利下げ期待が後退し、相場が反転するシナリオも考えられます。カナダの雇用統計も同時刻に発表されるため、併せて注目されます。
今後の株価の動きは、米国の関税引き下げが日本企業の業績にとってプラスに働くことは間違いありません。これは日本株の下支え要因となるでしょう。しかし、最大の焦点は米国の金融政策の行方です。今夜の雇用統計が弱い結果となり、FRBが大幅な利下げに踏み切るようであれば、世界的な金融緩和期待から株価はさらに上昇する可能性があります。逆に、雇用の強さが示されれば、金融引き締めへの懸念が再燃し、調整局面に入ることも考えられます。また、週末からFRB当局者の発言が禁じられる「ブラックアウト期間」に入るため、しばらくは経済指標の結果がより直接的に市場のセンチメントを左右することになりそうです。したがって、まずは米雇用統計の結果を慎重に見極める必要があります。
テクニカル的には、日経平均は心理的節目の4万3,000円を回復し、短期的には上昇トレンドを維持しています。次の上値目標は8月高値の4万3,546円で、この水準を突破できれば4万3,800円台も視野に入ります。一方、4万2,700円〜4万2,800円付近が直近の下値支持帯であり、この水準を割り込むと調整色が強まる可能性があります。