8月5日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の日経平均株価は、前週末比508円90銭安の40,290円70銭と続落しました。米国市場で発表された7月の雇用統計が市場予想を下回り、前月・前々月の雇用者数も大幅に下方修正されたことを受けて、米株が大きく下落した流れを東京市場も引き継ぐ形となりました。寄り付き直後には一時949円安まで売り込まれ、心理的な節目である4万円を割り込む場面も見られましたが、その後は時間外取引での米株先物の反発などを背景に下げ幅を縮小し、なんとか4万円台を回復して取引を終えました。
全体としては、米労働市場の鈍化が明らかになったことで、FRBの9月利下げ観測が再浮上し、市場にはポジティブな側面も見られたものの、地政学的リスクの高まりや、半導体関連の業績懸念が引き続き重しとなっており、相場は不安定な地合いが続いています。特に、ディスコ、アドバンテスト、フジクラといった半導体株や、三菱UFJ、三井住友といった金融株、さらにリクルートやソニーGなどの主力銘柄が軒並み下落したことが、日経平均の下押し要因となりました。
この背景には、先週からの為替市場の流れが大きく関係しています。週の前半は米国の強い経済指標を背景にドル高が進んでいましたが、週末に発表された米雇用統計が市場予想を大幅に下回る弱い結果となったことで、為替市場では一気にドル安へと流れが変わりました。この統計結果は、これまで堅調と見られていた米国経済への懸念を呼び起こし、週明けの日本株の売り圧力につながりました。さらに、トランプ前大統領の地政学リスクを煽るような発言も、投資家心理を冷え込ませる一因となったようです。
今後の株価については、短期的には方向感の出にくい展開が予想されます。
今週は大きな経済イベントが少ないため、市場は材料難のなかで「夏枯れ相場」の様相を呈する可能性があります。FRBの利下げ期待が下値を支える一方で、企業の決算発表では半導体関連などを中心に厳しい内容も見受けられ、上値の重しとなりそうです。そのため、しばらくは日経平均株価4万円を挟んで、上値は4万800円あたり、下値は3万9500円あたりを意識した一進一退の攻防が続くのではないでしょうか。小さなニュースにも敏感に反応し、値動きが荒くなる可能性もあるため注意が必要です。
中長期的には、9月に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)が最大の焦点となります。市場の期待通り利下げが決定されれば、株式市場にとって強い追い風となり、再び上昇基調を取り戻す可能性があります。しかし、それまでの間は、米大統領選に向けた政治的な駆け引きや、それに伴う突発的な発言などの不確実要素が相場を揺さぶる展開も考えられます。もしインフレの再燃を示すような経済指標が出たり、地政学的な緊張がさらに高まったりした場合には、相場がもう一段下落し、3万9000円割れを試すような展開も視野に入れておく必要があるでしょう。
全体としては、日経平均はレンジ内でもみ合う展開を基本線とし、個別物色による選別相場が続くとみられます。引き続き、好決算銘柄や内需・ディフェンシブ株を中心に相対的に強い銘柄へ資金が流れやすい地合いが継続しそうです。