8月8日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日7日は、英中銀(BOE)の政策金利発表が控える「スーパーサーズデー」として、市場関係者の注目が集まりました。市場では25ベーシスポイント(bp)の利下げをすでに織り込み済みであり、加えて発表後に予定されているベイリー総裁の会見において、経済見通しや雇用市場に関する言及が焦点となっております。英国ではインフレが根強く残る一方で、月次GDPは2か月連続のマイナスとなっており、いわゆるスタグフレーションの様相が鮮明となってきました。特に、票割れの有無や、50bpの大幅利下げを主張するメンバーの存在が明らかになれば、発表直後のポンドは売りで反応する可能性が高まります。
米ドル相場については、先週末に発表された弱い米雇用統計の結果を受けて、ドル売りの圧力が継続しています。今週に入ってからは、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁やクックFRB理事が相次いで利下げを示唆したことで、ドル指数は10日移動平均線を明確に下回る動きとなりました。本日はアトランタ連銀のボスティック総裁の発言も予定されており、次回9月FOMCに向けた市場の利下げ期待をさらに後押しする可能性もあります。為替市場ではドル円が147円台前半で安定しており、円安水準が続いていることは日本株にとって引き続き支援材料となっています。
日経平均株価は前日比264円29銭高の41,059円15銭で取引を終了し、3日続伸となりました。7月31日以来となる41,000円台の大台を回復し、TOPIXも21.35ポイント高の2,987.92ポイントと、史上最高値を2週間ぶりに更新しています。朝方は、トランプ前米大統領による半導体関税発言を受けて売りが先行しましたが、時間外の米株先物の上昇や為替の安定推移が支援材料となり、買い優勢の展開へと転じました。午前中には一時369円高まで上昇する場面も見られましたが、取引終盤には利益確定売りでやや上値が重くなる場面もありました。それでも、終値にかけては堅調な値動きを維持しました。
業種別では、電気・ガス業、倉庫・運輸関連業、銀行業が上昇率上位を占めました。関西電力、東京ガス、三井倉庫HD、上組、三菱UFJ、三井住友などが買われ、また、大和証券グループ、野村といった証券株や、第一生命HD、東京海上などの保険株も堅調でした。さらに、NTT、ソフトバンクGなどの情報通信、任天堂、アシックス、鉄鋼株などにも物色が広がりました。個別銘柄でも、エムスリー、洋エンジ、インターメス、ロート、JMDC、フジクラ、アドバンテスト、TDK、ソニーG、KDDI、ダイキン、富士フイルム、バンダイナムコ、資生堂、信越化学、イオンなどが上昇し、内需・ディフェンシブ株を中心に幅広く買いが入った印象です。
一方、輸送用機器、精密機器、ゴム製品などが下落しました。個別銘柄では、ソフトバンクG、TDK、エムスリー、ソニーG、コナミGなどが上昇を牽引し、東エレク、ホンダ、第一三共、花王などが下落しました。
米国市場の動向も日本株に影響を与えており、アップルの大型投資計画やマクドナルドの好調な既存店売上が支えとなる一方、AMDやDisneyなど一部銘柄には反応が鈍く、選別色が強まっています。米連銀幹部の利下げ支持発言も株価を押し上げる要因となりました。
テクニカルでは、日経平均が41,000円台を明確に回復したことは上昇基調の継続を示唆しており、移動平均線や出来高動向を見ても、押し目買いが入りやすい地合いが続くとみられます。TOPIXの史上高値更新もポジティブ材料であり、引き続き市場全体の地合いは強いと判断されます。
米国・英国の金融政策動向、特に今晩の英中銀発表および米雇用指標の結果が相場の変動要因となるでしょう。また、日本企業の決算発表が本格化する中で、個別企業の業績見通しに対する市場の評価が株価に影響を及ぼすことが予想されます。現在は為替の安定も追い風となっており、基本的には強含みの相場が続くと見られます