6月5日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
昨日の米国株は、OECDによる成長率下方修正という足かせがありつつも、米中首脳の直接対話への期待で相場を下支えし、半導体株を中心にダウ・ナスダックともに堅調に続伸しました。特にナスダックはエヌビディア(NVDA)をはじめとする半導体関連が引っ張り、フィラデルフィア半導体指数(SOX)が上昇したことが目を引きました。この流れを受けて東京市場では、前日まで3営業日で約1,000円近く下落していた日経平均が自律反発狙いの買いで反発。朝方に420円超の高値(37,868円42銭)をつけたあと、材料難のなか上値を追う動きは鈍く、横ばいで推移しました。終値は前日比300円64銭高の37,747円45銭。出来高は16億2,762万株、売買代金は4兆854億円、値上がり銘柄率は62%、値下がり33%と、多くの銘柄がプラス圏で引けています。
セクターでは、その他製品、石油・石炭製品、パルプ・紙などが買われる一方、ゴム製品、不動産業、金属製品などは売られました。半導体関連では、ディスコ<6146>、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>などが堅調に推移し、三井住友FG<8316>、三菱UFJFG<8306>などの金融株も底堅さを見せました。また、三菱重工業<7011>、IHI<7013>といった重工業株や、任天堂<7974>、ソニーグループ<6758>、ソフトバンクグループ<9984>、ファーストリテイリング<9983>といった大型株が上昇。加えて、5月既存店増収率拡大を好感されたTOKYO BASE<3415>が急騰し、双葉電子工業<6986>、ジャパンディスプレイ<6740>、オープングループ<6572>なども値上がり率上位となりました。一方で、NTT<9432>やKDDI<9433>などの通信株、レーザーテック<6920>、川崎重工業<7012>、伊藤忠商事<8001>、ソシオネクスト<6526>、ホンダ<7267>などが売られ、トヨタグループによるTOB価格にサヤ寄せした豊田自動織機<6201>が急落したほか、クレハ<4023>、M&A総研ホールディングス<9552>、gumi<3903>なども値下がり率上位でした。
為替は、ドル安圧力が根強いものの短期的には上下動が散見され、トランプ米政権の通商政策への不透明感が背景にあるため、大きく振れる動きは見られませんでした。円安・ドル高の振れが輸出株の下支え要因となる場面もありましたが、足元では市場参加者もトランプ氏の発言に慣れてきており、材料出尽くし感が先行する場面もあります。
海外経済指標は、本日発表の米ADP雇用統計が11.4万人増の予想(前回6.2万人)となっており、前回の鈍化からの回復としては限定的との見方です。さらに、ISM非製造業景気指数の改訂値(5月)やMBA住宅ローン申請指数など、週末の米雇用統計を控えて米ファンダメンタルズのチェックが続きます。カナダでは第1四半期の労働生産性に続き、6月の政策金利が発表。市場は据え置き・25bp利下げのいずれかを織り込んでおり、声明発表後の内容を確認したいところです。欧州ではフランス、ドイツ、ユーロ圏、英国のサービス業PMI確報値が発表され、大きな改定がなければ反応は限定的とみられます。このほか、FRB理事や地区連銀総裁の発言、NY地区連銀経済報告(ベージュブック)、米週間石油在庫統計の公表など、マーケットが注視するイベントが控えています。
目先では米中通商交渉の進展や米経済の足元を示す指標、そして日米金利差を左右する米要人発言が大きなカギを握りそうです。半導体関連株は依然としてSOX指数の動向に連動しやすく、米半導体セクターへの期待が続く限り、ディスコやアドバンテスト、東京エレクといった銘柄への買いは継続しやすいでしょう。また、金融株はドル金利の上昇期待が出てくれば再度物色される余地があります。一方、通信やゴム製品、不動産は調整的な売りが続く可能性があるため、短期的には押し目買いのタイミングを探りたいところ。為替については、ドル安圧力が継続すれば輸出株への恩恵は薄れるものの、もし米景気指標が予想を上回ってドルが反発すれば、トヨタやホンダなど自動車セクターや機械、大手電機株にも再度物色機運が高まるでしょう。来週の米雇用統計次第では、マーケット心理が一気に改善する可能性があるため、注視を。そして日経平均は、一時的な戻り売りをこなしつつ、当面は37,500~38,500円のレンジでの膠着が想定されるものの、6月中旬以降にかけて決算発表シーズン入りすると、個別業績へのシフトが進み、物色対象が幅広く入れ替わる展開になりそうです。