6月12日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
6月11日の日経平均株価は前日比209円68銭高の38,421円19銭と4営業日続伸。米国株の堅調な推移や米中通商協議への進展期待が買い材料となり、序盤はしっかりとした展開を見せました。前日の米株市場では、長期金利の低下と商務長官の「協議は順調に進んでいる」との発言が相場を支え、NYダウやナスダックは堅調に引けました。その流れを引き継ぐ形で東京市場も買いが先行。特に半導体関連を中心に投資家のリスク選好が戻りつつある印象です。
寄り付き直後には38,500円台を回復する場面もありましたが、その後は戻り待ちの売りに押され、終日38,400円近辺でもみ合う展開となりました。やはり心理的節目となる38,500円を目前に、利確の動きが出やすく、買いの勢いは限定的でした。
個別では、米半導体株高の流れを受けて、レーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)、ディスコ(6146)などの半導体関連株が堅調。5月の既存店売上高が好調だった物語コーポレーション(3097)も大幅高となるなど、決算や業績が好感された銘柄には積極的な買いが入りました。
その一方で、三菱UFJフィナンシャルG(8306)や東京海上(8766)といった金融関連株、トヨタ(7203)やソニー(6758)といった主力銘柄にはやや売りが優勢。加えて、日野自動車(7205)は希薄化懸念から大幅安となるなど、材料次第で明暗が分かれる展開でした。
為替市場ではドル円が円安基調を維持しており、輸出関連株の下支え要因となっていますが、相場を一段と押し上げるほどの力はなく、あくまで安定感の演出といったところ。現在の相場は材料難の様相で、今晩発表される米5月CPI(消費者物価指数)が次の方向性を決める重要な指標となりそうです。
市場予想では前年比+2.4%、コアCPIは+2.9%と、インフレの粘着性が引き続き示されると見込まれており、FRBの利下げ観測にはややブレーキがかかる可能性も。そうなれば金利の高止まりが意識され、株式市場の上値も重くなる展開が警戒されます。
短期的には、米中協議や米CPI、そして週末のG7サミット・日米首脳会談など重要イベントが続くため、市場はしばらく様子見姿勢が続くでしょう。日経平均が38,500円の節目を明確に上抜けるには、米国のインフレ指標や主要企業の決算といった明確な買い材料が必要です。
一方で、下値も堅く、38,000円前後では押し目買いが入りやすい地合いも継続しており、基本的にはレンジ相場を想定した戦略が有効。今週の米経済指標と為替の動きに注目しつつ、焦らず構えるのが得策です。