6月25日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
24日の東京株式市場は、トランプ米大統領による「イスラエルとイランが暫定的な停戦に合意した」との発言が相場のセンチメントを一変させる展開となりました。中東リスクの後退が意識され、有事のリスクオフ・モードから一転、リスク選好の流れに戻る動きが強まりました。
日経平均株価は前日比436円高の38,790円と4営業日ぶりの大幅反発となりました。朝方は一時636円高まで上昇する場面も見られ、2月の高値である39,000円の大台を目前にする場面もありました。ただし、買い一巡後は上値の重さも意識され、為替市場での円高ドル安進行を背景にやや伸び悩む展開となりました。
個別銘柄では、非鉄金属や空運、証券株が買われ、原油安を背景に鉱業株や石油関連株には売り圧力がかかりました。半導体関連の一角であるレーザーテック〈6920〉は国内証券による格上げ報道を受けて急騰。加えて、JAL〈9201〉やANA〈9202〉などの空運株も堅調に推移しました。
為替市場では、トランプ氏の停戦言及を受けて「有事のドル買い」から「ドル売り」への転換が見られ、ドル円は147円台から145円台半ばまで円高方向へ動きました。この円高が輸出株の重しとなった一方で、原油価格の下落が企業のコスト圧力を和らげるとの見方から、内需・消費関連株への安心感も広がっています。
一方で、イラン外相が「現時点では正式な停戦合意は存在しない」とSNS上で反論しており、市場の楽観ムードが行き過ぎれば、再び失望売りを誘うリスクもくすぶっています。また、軍事施設の破壊状況や報復の可能性など、事実関係の全容が明らかになるにはまだ時間を要するとみられ、引き続きニュースフローには警戒が必要です。
足元では、中東情勢と米国金融政策を巡る不透明感が主な市場ドライバーとなっています。今晩にはパウエルFRB議長の議会証言が予定されており、FRBの政策スタンスを見極めたいとの思惑から、様子見姿勢が広がる可能性があります。トランプ大統領の利下げ圧力が強まる中で、パウエル氏がどこまでバランスの取れた発言を行うかが注目されます。
また、今週発表されるドイツIfo景況感指数や米コンファレンスボード消費者信頼感指数など、主要国の景況感に関わる指標が、市場のリスク選好姿勢を左右するカギとなります。欧米経済が軟着陸路線を維持できるかどうかが中期的なリスク資産の評価軸となり、米国の早期利下げ観測が再燃すれば、グロース株やハイテク株への追い風になると見られます。
一方、日本企業は6月末の四半期決算集計を前に、業績見通しや配当動向が徐々に材料視されてくるタイミングでもあります。円高が進行すれば、輸出企業にはネガティブ要因となる反面、エネルギー輸入コストの低下や消費拡大期待に繋がる面もあります。
日経平均株価は24日の取引で38,000円台後半を回復し、心理的節目である39,000円に一時迫る場面も見られました。しかし、直近4日間の下落に対する自律反発の色合いが濃く、25日移動平均線(およそ38,900円前後)を明確に上抜けて定着できるかが次の焦点です。
2月に付けた39,098円の年初来高値が上値抵抗として意識される一方、心理的節目である38,000円はサポートとして機能しています。
39,000円を超えて定着するようであれば、再び年初来高値更新トレンドに回帰する可能性もありますが、目先は「ヘッドライン次第の乱高下」に警戒が必要です。