6月26日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日(6月25日)の東京株式市場は、日経平均株価が前日比151円51銭高の38,942円07銭と続伸して取引を終えました。イスラエルとイランの停戦が事実上成立したとの見方が市場心理を支えたほか、米FRBパウエル議長のややハト派寄りの姿勢が引き続き株価の下支え要因となりました。
前日の米国株市場では、地政学リスクの後退と利下げ期待を背景に、主要3指数がそろって上昇。東京市場でもその流れを受け、朝方は買いが先行しました。ただし、節目である39,000円手前では戻り売りが出やすく、上値を抑える展開が続きました。
中東リスクについては、トランプ米大統領が以前に「期限」を設けていたとされる停戦交渉がその後、実質的な攻撃の停止という形で実を結びました。イラン・イスラエルの両国からの直接攻撃は24時間以上停止しており、市場では「ひとまずの停戦成立」と受け止められています。
これにより、VIX指数(恐怖指数)も低下傾向となり、グローバル市場全体が徐々に落ち着きを取り戻してきている印象です。ただし、中東情勢については依然として報道ベースでの不透明感も残っており、今後の発言や行動次第では再びリスク回避姿勢が強まる可能性にも注意が必要です。
金融政策に関しては、前日のパウエルFRB議長による議会証言で「慎重な政策運営を継続する」としつつも、「インフレが再度鈍化し、雇用環境が悪化すれば、早期利下げの選択肢も排除しない」と柔軟な姿勢を示しました。この発言により、ドル売りが進行する場面もあり、為替市場はやや神経質な動きとなっています。
さらに本日は、日銀の田村審議委員の発言がドル円相場に影響を与えました。午前中には「物価が上振れすれば断固とした対応もある」とタカ派的なスタンスを見せ円買いに反応しましたが、午後には「関税交渉中での利上げには慎重」との発言が伝わり、円売り方向に動きました。
為替は144円台半ばを中心としたレンジ相場となっており、ドル円は144.61〜145.17円の間で振れる展開となりました。日米両中銀のスタンスが市場の焦点となっており、今後も高官発言や指標に対する反応には敏感な動きが続きそうです。
日経平均は堅調に推移しつつも、前日に大幅上昇していた反動や、39,000円というフシ目を意識した利確売りが上値を抑えました。後場には米株先物の上昇を受けて買いが優勢となり、日中の高値圏で取引を終えました。
業種別では、電気機器、化学、金属製品などが堅調で、アシックス〈7936〉、任天堂〈7974〉、ソニーG〈6758〉、信越化学〈4063〉などが上昇しました。加えて、半導体関連株のアドバンテ〈6857〉やレーザーテック〈6920〉、東エレク〈8035〉なども買いが続いています。
一方で、**電力・ガスや精密機器、パルプ・紙などディフェンシブセクターには売りが入りました。**東電力HD〈9501〉やオリンパス〈7733〉、ファーストリテ〈9983〉、キーエンス〈6861〉などが軟調な展開となりました。特にオリンパスはFDAの輸入警告報道を受けて急落しています。
市場の関心は中東から再び金融政策へとシフトしつつあります。パウエル議長をはじめとするFRB関係者の発言に注目が集まるなか、今週後半にかけては米PCEデフレーターの発表なども控えており、インフレ動向と利下げ時期に関する観測が交錯しそうです。
一方、国内では日銀の政策修正観測がじわりと高まっており、7月の金融政策決定会合に向けて、さらなるタカ派発言が出るか注目されます。日米金利差の行方次第では、為替が大きく振れる可能性もあり、日本株の上値余地を左右することになります。
また、企業業績については、半導体・自動車など輸出主力株の見通しが依然として注目されており、今後の決算発表シーズンではガイダンスに対する市場の反応が焦点となります。
テクニカル面では、日経平均は3営業日で700円以上の上昇を見せ、25日移動平均線(約38,400円)を明確に上抜けました。現在は39,000円を目前にした調整局面に入っており、心理的節目の突破には新たな材料が必要となる局面です。
RSIは60台後半で過熱感はまだ強くありませんが、MACDはシグナルとの乖離を拡大しており、短期的には利益確定売りに注意したいタイミングです。ボリンジャーバンドの上限も接近しており、39,000円〜39,200円台では上値が重くなる可能性が高いと見られます。
下値サポートとしては、38,500円および25日線が重要な防衛ラインとなっており、ここを明確に割り込まない限り、上昇トレンドは維持されそうです。
現在の日本株市場は、中東リスクの緩和と金融政策に対する期待感の綱引きのなかで、方向感を探る展開が続いています。短期的には39,000円台の節目を意識したもみ合いが継続しやすいものの、金融政策イベントや為替の動向が相場の分岐点となる可能性があります。
銘柄選別では、引き続きグロース性を持つ半導体関連や、為替耐性のある内需・ディフェンシブ銘柄への分散投資が有効と考えられます。