7月16日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の為替市場は、ドル円が147円70銭前後でのもみ合いが続いており、方向感に乏しい展開となっています。7月に入ってからドル指数がじわじわと上昇する動きを見せていたこともあり、今晩発表される米6月消費者物価指数(CPI)の結果に市場の注目が集まっています。予想は前年比+2.6%、コアCPIは+2.9%と、いずれも前月からの上昇が見込まれており、仮に予想を上回る結果となればドル買いが加速する可能性があります。一方で、予想を下回る結果となればドル売りが優勢となり、足元のドル高基調に変化を与える可能性があるため、要警戒です。トランプ前大統領のSNS発信なども含め、政治的なノイズが相場に影響する展開も十分に考えられます。
株式市場では、日経平均が4営業日ぶりに反発し、終値は前日比218円40銭高の39,678円02銭と、後場にかけて堅調に推移しました。TOPIXもわずかながら上昇し、全体的に落ち着いた値動きとなりました。もっとも、CPI発表を控えていることもあって、積極的な買いにはつながりづらく、方向感に欠ける場面も目立ちました。前場では一時下げに転じる場面も見られましたが、米国株の堅調や円安進行が下支えとなり、後場には上げ幅を拡大しました。
業種別では、非鉄金属、保険、電気機器などが買われた一方、卸売業や不動産、パルプ・紙などは軟調でした。個別銘柄では、半導体関連株や保険株を中心に買いが入り、東エレク、ディスコ、アドバンテスト、第一生命、東京海上などがしっかりとした動きを見せました。また、米エヌビディアが中国向けGPU販売を再開するとの報道も追い風となり、国内半導体関連に対する物色が強まりました。銀行や証券株にも買いが入り、三菱UFJ、SBI、みずほなどが上昇しました。
一方で、重工株の一角や、小売、インターネット関連、一部の防衛関連株などが冴えず、川崎重工、良品計画、GMOインターネット、ソニー、サイゼリヤなどが下落しました。決算発表が本格化するなかで、ネガティブな内容の銘柄に対する反応は比較的厳しく、IDOMなどは業績下方修正を嫌気して大幅安となっています。
今後の株価の動きは、まず今晩の米CPIの結果が最大の注目材料となります。予想を上回るインフレ再加速の兆候が見られれば、FRBによる利下げ観測の後退を通じて米長期金利が上昇し、米株には逆風となる可能性があります。この場合、日本株も連動して上値を抑えられる展開が予想されます。ただ、インフレが予想通り、あるいは下振れた場合には、利下げ期待が再燃し、米株高・円安進行を背景に、日本株にも再びリスクオンの流れが波及する展開も想定されます。テクニカル的には、日経平均は節目の4万円を目前にしており、このラインを明確に上抜けるためには、材料と出来高の伴った一段の買いが必要です。米決算発表の本格化を前にして好決算銘柄への選別物色が進むとともに、国内では7月末にかけて本格化する企業決算が次のトリガーとなる見通しです。当面は、CPIの結果と米金融政策への思惑が、為替と株価双方のトレンドを左右する重要な局面が続くと見ています。