7月31日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
今日の東京株式市場は、まさに嵐の前の静けさといった言葉がぴったりの一日でした。日経平均株価は4日続落となりましたが、下げ幅はわずか19円ほどで、実質的にはほぼ横ばいでした。むしろ、東証プライム市場では値上がりした銘柄の数が値下がりを大幅に上回っており、指数が示す以上に市場全体の地合いは悪くなかった、という不思議な状況です。これは、一部の大型株が指数を押し下げた一方で、多くの個別株は底堅かったことを示しています。結局、投資家の関心はただ一点、今夜(日本時間31日未明)に結果が発表されるアメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)に集中しており、その内容を見極めたいという思いから、誰もが身動きを取れなかった、というのが本音ではないでしょうか。売り方も買い方も様子見に徹し、一日を通して方向感の定まらない、膠着感の強い相場となりました。
こうした神経質なムードは為替市場にも色濃く反映されていました。ドル円相場は1ドル=148円台を中心とした非常に狭い範囲での動きに終始しています。日米の金利差を考えれば円安・ドル高に進みやすいという基本的な構造は変わっていませんが、さすがにパウエル議長の発言を聞くまでは大きなポジションを取れない、という市場心理が透けて見えます。今朝方に一時的な津波警報で円が買われる場面もありましたが、すぐにFOMCへの注目に引き戻されており、いかに市場がこの一点に集中しているかがうかがえました。
国内株市場では、非鉄金属や海運、繊維など資源や輸出関連株が堅調でした。具体的には、古河電工やフジクラ、商船三井、日本郵船などが買われました。一方で、空運やサービス業、パルプ・紙などが売られ、ANAホールディングス、OLC、王子HD、日本紙などが下落。精密機器ではテルモやHOYAが軟調、その他製品ではヤマハや任天堂も売られました。半導体や産業機械関連もさえず、アドバンテスト、ファナック、小松製作所、キーエンスが売られました。決算を嫌気されたシマノ、小森、フジテック、四国化成なども大幅安となりました。
一方で、防衛関連の川崎重工、三菱重工、IHIが強含み、エンプラスやエクセディ、住友ファーマなども買いを集め、明暗が分かれる展開でした。個別では決算をきっかけとした値動きが活発化しつつあり、銘柄ごとの選別色が強まっています。
今後の株価動向は、短期的にはFOMCと日銀会合の結果次第で大きく振れる可能性があります。FOMCが予想通り据え置きとしつつも、パウエル議長が利下げに慎重なトーンを保つなら、米長期金利が上昇し株式市場にはやや逆風となり得ます。逆にハト派的なスタンスが打ち出されれば、安心感からハイテク株を中心に買いが入りやすくなります。日銀については政策変更は予想されていませんが、YCCやETF買い入れスタンスに変化があれば市場インパクトは大きくなります。
テクニカル的には、40,600円近辺は下値支持線として意識されており、ここを維持できれば押し目買い意欲は引き続き強いと見られます。上値は41,000円台前半にかけて戻り売り圧力が強く、今後の経済指標や企業決算を受けて突破できるかが焦点です。米GDP速報値やADP雇用統計が強く出た場合にはドル高が進み、日本株にも追い風となる可能性がありますが、特殊要因による一時的な上振れと見なされれば市場は冷静に反応する可能性もあります。
全体としては、イベントを通過するまでは神経質な展開が続く見込みですが、もし大きなサプライズがなければ、8月前半にかけて再びリスクオンの流れが戻るシナリオもあり、非鉄・海運・輸出株中心に5%程度の上昇余地がある銘柄も散見されるタイミングに差し掛かっています。
ただし、FOMCを通過しても、まだ日銀の金融政策決定会合が控えています。仮にFOMCの結果がポジティブでも、日銀への警戒感が相場の上値を抑える可能性も残っています。今後24時間から48時間の動きが、この夏後半の相場の流れを決定づけると言っても過言ではないでしょう。