8月6日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の日経平均株価は、前日比258.84円高の40,549.54円と3日ぶりに反発し、堅調な展開となりました。前日の米国株式市場が、弱い米雇用統計を受けた早期利下げ期待に支えられて大幅上昇した流れを引き継ぎ、東京市場も買いが先行しました。特に、直近で日経平均が約780円下落していたことから、押し目を狙う買いや自律反発を期待した買いが入りやすい地合いとなっていました。また、国内主要企業の4-6月期決算が佳境を迎えており、好決算銘柄を中心に選別的な物色も活発化しました。非鉄金属や水産農林、電気・ガスなどディフェンシブな業種が堅調で、全体の7割を超える銘柄が値上がりしています。
一方で、為替市場では先週末の米雇用統計の弱さを背景に、ドル売りが続いています。ドル円は東京市場で一時146.62円まで下落し、じりじりと安値を広げる動きが続いています。ドル指数は10日移動平均線をサポートに下げ渋っていますが、上値は依然として重く、市場全体のムードはドル安方向に傾いています。9月FOMCでの利下げ観測が高まっており、現在では年内に2回半程度の利下げが織り込まれている状態です。ただし、これはあくまで現時点の見通しであり、今後発表される経済指標次第では、織り込みが大きく変動する可能性があるため、為替の方向性も流動的です。
個別銘柄は、前日の決算が好感されたオルガノが大幅高となったほか、古河電工やフジクラ、東京電力HD、NTN、IHIなどが上昇するなど、素材系やエネルギー関連に強さが見られました。防衛関連や半導体部材・素材関連の一角にも堅調な動きが見られます。反面、小売関連では良品計画やニトリHDが軟調で、為替の円高進行も一因となり、輸出関連銘柄には重しがかかりました。また、東エレクやディスコ、ファーストリテなど値がさ株の一部にも調整が見られました。
この先の株価の動きは、当面は国内企業の4-6月期決算に対する評価と、米国の経済指標次第という面が大きくなると見られます。特に今夜発表予定の米ISM非製造業景気指数が市場予想の51.5を上回るかどうかは重要な分岐点となるでしょう。予想通りであれば、ドル買い・円売りの流れが一時的に戻る可能性があり、これが輸出株の支援材料となるかもしれません。
一方で、為替が146円台を割り込むような円高進行が進めば、輸出関連株の重しとなる場面もありえます。また、FOMCまでの期間中に発表される米CPIやPPIといったインフレ関連指標が予想を下回れば、利下げ観測がさらに強まり、米株高・円高というパターンが定着する可能性もあります。これにより日本株は、グローバル株高の流れに乗って上値を試す展開になる一方、為替の円高が企業業績見通しに与えるネガティブ影響も同時に意識される場面が出てくるでしょう。
テクニカル的には、日経平均が4万円台をキープしながら、もう一段上を試すには、出来高の伴った上昇やリスクオンの明確なシグナルが必要です。直近高値の4万1000円台を再び目指すには、国内外での好決算銘柄の物色が続くか、あるいは金融政策を巡る安心感がより明確になる必要があります。反対に、企業決算にネガティブサプライズが相次いだ場合や、米指標で再びインフレ懸念が強まった場合には、下値模索に転じ、3万9500円~3万9800円のサポートゾーンまでの調整も視野に入るでしょう。
全体としては、目先は買い戻しと決算評価の綱引きが続くなかで、4万円を中心としたもみ合い相場が展開されると考えられます。為替と米国経済指標の動向が、次の方向感を与える重要なカギとなるでしょう。