8月7日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の日経平均株価は前日比245円32銭高の40,794円86銭と続伸し、TOPIXも30.03ポイント高の2,966.57ポイントで取引を終えました。米国市場ではISM非製造業景況指数が予想を下回ったことが嫌気され株式が下落する展開となりましたが、東京市場では朝方こそその流れを引き継ぎ軟調に始まったものの、為替が円安方向に振れたことで輸出関連株が下支えし、午前中にかけて持ち直す動きが強まりました。特に、ドル円相場が147円台で安定的に推移していたことで、投資家心理の下支え材料となりました。
市場全体では、先週末の米雇用統計の結果を受けてドル売りが先行する展開となっていましたが、ドル安トレンドの決定打とはならず、ドル指数は10日移動平均線で下げ止まっています。為替市場では米指標の弱さが材料視された一方で、FRBによる利下げへの織り込みにはまだ流動的な面があり、方向感に乏しい展開が続いています。今週は重要指標が少ないこともあり、ドル円の水準も安定しており、それが株式市場の押し目買いを促す要因の一つとなっています。
業種別では、不動産、建設、鉱業、石油・石炭、卸売、金属製品など幅広いセクターに買いが入り、33業種中32業種が上昇と非常に強い地合いを示しました。不動産株では三井不動産や三菱地所、建設株では大林組や清水建設が大きく上昇しました。資源関連ではINPEXや石油資源開発、出光興産、ENEOSなどが堅調で、内需や資源関連株が投資家の関心を集めた形です。また、伊藤忠や三菱商事といった総合商社も上昇し、景気敏感株への物色も見られました。
個別銘柄では、好材料が報じられた養命酒が大幅高となり、ティラドやダイヘン、ユニチカなども値上がり率上位に入りました。輸出関連ではトヨタ自動車、ホンダ、ソニーグループ、任天堂なども堅調に推移し、ソフトバンクグループや東京電力HD、フジクラ、三菱商事なども買われました。
一方、エムスリーやリクルートHDなどサービス系の銘柄は売られ、業種別で唯一サービス業が下落しました。また、半導体関連ではディスコ、東京エレクトロン、レーザーテックなどが軟調に推移し、IHI、メルカリ、キーエンス、NTT、ルネサスエレクトロニクスなども下落しました。決算発表後の材料出尽くし感や、米国市場での半導体セクターの調整が影響したと見られます。
この先の株価の動きは、上値を追う展開も期待されますが、依然として米国の景気減速懸念とFRBの金融政策見通しが不透明感を残しており、一本調子の上昇は見込みづらい局面です。日経平均は40,800円台に接近し、心理的節目である41,000円を視野に入れつつも、決算発表を通じた個別株の物色に軸足が移る展開となるでしょう。米主要企業の決算内容やガイダンス、さらに10年債の入札動向や原油在庫統計などのマクロ要因も意識され、短期的にはレンジ感を伴う神経質な展開が予想されます。為替が再び円高に傾けば、輸出関連への重しとなり下押し圧力が強まる可能性もありますが、現状のドル円147円台が維持されるようであれば、下値は堅く、企業業績を支えにジリ高の展開も見込まれます。今後の相場は、米国発の材料に対する反応と、国内企業の決算内容が主なカギを握る形となりそうです。