3月10日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場とこれからの見通し
東京市場では朝方から売りが先行し、日経平均は寄り付き後に下げ幅を急速に拡大しました。午前11時過ぎには4200円を超える下落となり、5万1400円台まで急落する場面もありました。さらに、米オラクルなどによるAIデータセンター拡張計画の中止観測も半導体・電線関連などの成長株への警戒感につながり、売り圧力を強めました。業種別では33業種すべてが下落し、住友電工やフジクラなどの非鉄金属株、TOTOや日本ガイシなどのガラス土石株など、幅広い銘柄に売りが波及しました。もっとも、後場に入ると急落の反動から個別株の下値を拾う動きも見られ、日経平均は下げ幅をやや縮小しました。ただ、この日の米国株の反応を見極めたいとの慎重姿勢が強く、全体としては買い戻しの勢いは限定的でした。
為替市場では、足元で中東情勢の緊迫化を背景に「有事のドル買い」が意識され、ドルが底堅く推移する場面がみられました。ただ、原油価格が急騰した後に、G7による緊急石油備蓄の放出協議が報じられると原油が急反落し、それに伴ってドル買いにもやや調整が入るなど、為替相場もニュースに敏感に振れる展開となっています。資源価格と地政学リスクが為替の方向感を左右する構図が強く、短期的な値動きの荒さが目立つ状況です。
原油市場では、週明けにWTI原油先物が一時119ドル台まで急騰し、アジア時間でも114ドル台まで買われるなど、供給不安を背景に強い上昇圧力がかかりました。これがインフレ再燃と景気減速の懸念を同時に呼び起こし、世界的な株式市場の重しとなっています。ただ、その後は英紙フィナンシャル・タイムズがG7による石油備蓄放出の協議を報じたことで原油価格が107ドル付近まで急反落する場面もあり、市場は依然としてニュース主導で振れやすい状況です。短期的には地政学ニュースへの過敏な反応が続き、相場の変動性は高止まりしそうです。
これからの動きをテクニカル的に見ると、今回の急落によって日経平均は短期的に大きく売られ過ぎの水準に近づきつつあります。急落局面では自律反発が入りやすく、5万2000円前後では押し目買いも入りやすい水準とみられます。ただし、地政学リスクという外部要因による下げであるため、ニュース次第では下値模索が続く可能性も否定できません。短期的にはボラティリティの高い神経質な相場が続くものの、原油価格の落ち着きや海外市場の安定が確認されれば、徐々に5万4000円台方向への戻りを試す展開も視野に入ってくると考えられます。しばらくは外部環境の変化を見極めながら、値動きの荒い展開が続きそうです。
ファンダメンタルズ面ではやはり中東情勢と原油価格の動向が最大の焦点となります。原油価格が高止まりすればインフレ圧力が再燃し、世界的な金融引き締め長期化や景気減速への警戒が強まる可能性があります。一方で、G7の備蓄放出や外交的な緊張緩和が進めば、エネルギー価格は落ち着きを取り戻し、市場心理も徐々に安定する可能性があります。また、米国では雇用統計の弱い結果も出ており、景気減速懸念とインフレ懸念が同時に意識される難しい局面が続くとみられます。
