5月27日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
5月26日の東京市場は、前週末の米国株安を受けて一時様子見ムードが広がったものの、結果として日経平均は前営業日比371円高の37,531円としっかり高値引けで終えました。米国市場ではダウが256ドル安、ナスダックも188ポイント安と下落。背景にはトランプ前大統領がSNS上で「6月1日からEU製品に50%の関税を課す」と発信したことがあり、市場は一時大きく反応しました。さらに、アップルに対しても高関税を検討する姿勢を示したことで、アップル株が下落し、相場の重しとなりました。しかしその後、ホワイトハウスが「発言は正式な声明ではない」との見解を示したことや、ベッセント財務長官が「数週間以内に大規模な貿易合意を発表予定」と発言したことで、米市場の下げはやや落ち着きを見せました。
この流れを受けた東京市場では、「関税発動は7月9日まで延期」との報道が好感され、買いが優勢に。加えて、メモリアルデーで米国市場が休場となるため、積極的な売買は限られたものの、目立った売りも見られず、後場にかけてはじわじわと上昇する展開となりました。
個別銘柄では、半導体関連のディスコ<6146>、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>が相場を牽引。特に海外市場の影響を受けやすい半導体株にとっては、米先物の回復や関税延期の報道が追い風となりました。また、空運株の日本航空<9201>やANAホールディングス<9202>も堅調に推移し、旅行・移動需要の回復期待が引き続き支えとなっています。さらに、川崎重工業<7012>や任天堂<7974>、リクルートHD<6098>、NTT<9432>などの主力株も上昇し、相場の地盤を固めました。
特に材料株では、野村絢氏が大株主として浮上したとの報道を受けて、カヤバ<7242>が思惑買いで大幅高となったほか、マルマエ<6264>や黒崎播磨<5352>、GXウラニウム<224A>などが値上がり率上位に顔を出しました。一方、トランプ氏の対EU関税発言が嫌気され、DMG森精機<6141>が売られたほか、IRJHD<6035>、GMOインターネットグループ<9449>、シンクロ・フード<3963>、三越伊勢丹<3099>、ヤクルト<2267>などが下落しました。
業種別では、東証プライムの33業種中29業種が上昇。鉄鋼、空運、情報通信、サービス、電気機器、陸運、水産農林など幅広い分野に買いが入り、特に日本製鉄<5401>によるUSスチールの買収承認報道がポジティブに捉えられ、鉄鋼株が目立つ上昇を見せました。下落したのは石油・石炭、金属、卸売、輸送用機器の4業種のみで、全体としてはリスクオンの流れが続いています。
為替市場では、ドル円が一時142円20銭台まで下落する場面があったものの、日経平均の堅調さを受けて午後にはやや持ち直し、142円50~70銭前後でもみ合い。米国の財政懸念や関税政策の先行き不透明感が上値を抑える要因とはなっていますが、東京市場では需給バランスの良さが株価を下支えしている印象です。
総じて見ると、トランプ氏の発言で神経質になりつつも、日本株は半導体や空運といったテーマ株を中心にしっかりとした買いが続いており、個別物色の強さが際立つ1日となりました。米市場が休場で様子見姿勢が強まる中、東京市場の堅調さは際立っており、今後の海外動向次第ではさらなる上値余地も期待できそうです。