9月12日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の株式市場は、日経平均株価が大幅に続伸し、終値で4万4000円台に乗せ、TOPIXと共に連日で史上最高値を更新する非常に力強い一日となりました。
昨日の米国市場で、生産者物価指数(PPI)が予想以上に伸び悩んだことを受け、ハイテク株が買われた流れを引き継ぎ、本日の東京市場でも半導体関連などの銘柄が相場を牽引しました。日経平均は心理的な節目である4万4000円を突破すると、さらに上げ幅を広げる展開となりました。ただ、東証プライム市場全体を見渡すと、値上がり銘柄よりも値下がり銘柄の方が多い状況で、一部の主力銘柄が指数を押し上げた格好です。
市場の最大の関心事は、今夜発表されるアメリカの消費者物価指数(CPI)と、欧州中央銀行(ECB)の金融政策です。昨日の米PPIの鈍化を受けて、もしCPIも市場予想を下回る結果となれば、アメリカの利下げ観測が一層強まることになります。市場ではすでに9月の利下げが有力視されていますが、焦点は年内に3回の利下げが現実味を帯びてくるかどうかという点に移っています。こうしたアメリカの利下げ期待は、日米の金利差縮小を意識させるため、為替市場では円高方向への圧力がかかりやすい地合いと言えるでしょう。
一方、ヨーロッパではECBが政策金利を据え置くことが確実視されており、むしろ注目が集まるのはフランスの政治情勢など、景気以外の不安材料に対するラガルド総裁の発言内容となりそうです。
今後の相場の方向性を決定づける最大の要因は、今夜発表される米CPIの結果と、それを受けたアメリカの金融政策の動向です。市場の期待通りインフレの鈍化が確認されれば、利下げ観測を追い風に世界的に株価はもう一段上昇する可能性があります。逆に、インフレの根強さが示されるような結果となれば、利下げ期待が後退し、これまで相場を牽引してきたハイテク株を中心に調整局面を迎えるリスクも考えられます。また、欧州の政治リスクや地政学的な動向も、市場の不透明要因として引き続き注視していく必要があります。国内に目を向ければ、企業の好調な業績や株主還元への意識の高まりが、株価の下支え要因として期待されます。
テクニカル的には、日経平均株価は史上最高値を更新し、明確な上昇トレンドを形成しています。心理的な節目であった4万4000円を終値でしっかりと上抜けたことは、新たな上昇ステージに入った可能性を示唆しており、上値余地が広がったと捉えられます。しかし、短期的には連日の上昇で過熱感も意識され始めており、利益確定売りに押される場面も想定されます。今後は、上昇の勢いを保ちつつ、新たなサポートラインとして4万4000円台を固められるかが焦点となりそうです。