5月30日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
2025年5月29日の東京株式市場は、久しぶりにすっきりとした上昇を見せ、日経平均は前日比710円高の38,432円で取引を終えました。14日以来、約2週間ぶりに38,000円台を回復し、終日強い地合いとなりました。
前夜の米国株市場は一転して反落。ダウ平均は245ドル安、ナスダックも小幅に下落。前日の大幅上昇の反動や、エヌビディアの決算発表を控えた様子見ムードが広がるなか、利益確定売りが優勢でした。FOMC議事要旨でも利下げに慎重な姿勢が示されたものの、相場へのインパクトは限定的でした。
しかし、東京市場にとって好材料となったのは、そのエヌビディアの決算。市場予想を上回る好内容だったことで、時間外取引で同社株が急騰、これに連動してダウ先物も大幅高に。朝方から投資家心理を支えたのは間違いなく、米半導体大手のポジティブサプライズです。
この流れを受け、東京市場では半導体関連が軒並み買われました。ディスコ、アドバンテスト、ルネサス、レーザーテック、東京エレクトロンなど、日経平均の上昇をけん引するおなじみの顔ぶれがしっかりと上昇。また、電線株のフジクラや住友電工なども買いを集め、関連銘柄全体に資金が向かいました。
加えて、トヨタや川崎重工、任天堂、ソニー、日立、リクルートHDといった主力株もしっかりと上昇。幅広い業種に買いが入り、業種別でも33業種中30業種がプラスとなる全面高の様相でした。
一方で、JR東やJR東海といった陸運株、商船三井、川崎汽船といった海運株、さらに王子HDや日本紙などのパルプ紙株など、一部ディフェンシブセクターではやや弱さが目立ちました。配当落ちの影響が意識されたタマホームなど個別に売られる銘柄もありましたが、全体としては上昇一色の一日だったと言えます。
終盤には、米連邦裁判所がトランプ前政権の関税措置の一部を違法と判断し、関税を差し止める判決を下したことも伝わり、ドル円は円安方向に動くなど、外部環境の変化も追い風に。為替の支援もあって、東京市場の勢いは終日衰えませんでした。
全体を通してみれば、「半導体決算+関税緩和報道+円安」と、株式市場にとっての三拍子がそろったような一日。日経平均はこの勢いで38,000円台をしっかり固めにいく展開になりそうです。
今後の見通しとしては、米国の利下げ期待がやや後退する中でも、企業業績や政策の変化に反応しやすい地合いが続きそうです。特に半導体セクターを中心に、個別企業の決算内容が引き続きマーケットを動かす重要な材料となるでしょう。トランプ政権の通商政策をめぐる報道など、地政学リスクも絡めて注意が必要ですが、リスク選好の流れが強まりつつある現在、目先は上昇基調が優勢な相場環境が続きそうです。