6月3日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
5月30日の米国株式市場は、トランプ前大統領による中国への強硬発言が再燃し、米中対立への懸念が市場心理を冷やす一方、PCE物価指数が市場予想を下回ったことで利下げ期待が高まり、株価を下支えするという、まちまちの展開となりました。ダウは持ち直す動きを見せたものの、ナスダックは下げ渋るにとどまり、方向感に乏しいまま終了しました。こうした米市場の不安定な動きを受けて、週明けの日本株市場も軟調なスタートとなりました。
6月2日の日経平均は前週末比494円安の37,470円と大幅続落し、後場に入っても下値を試す展開が続きました。背景には、再燃する米中関係の緊張感や、トランプ氏による鉄鋼・アルミ関税の大幅引き上げ表明、それに対するEUの反発姿勢、そして中国との軍事的緊張感の高まりがあり、投資家のリスク回避姿勢が一段と強まっています。また、為替市場では円高・ドル安が進行し、ドル円は144円台から143円台前半へと軟化、輸出関連株の重しとなりました。
東証プライム市場では、値下がり銘柄が1000を超え、騰落銘柄比は下落優勢。特にゴム製品、輸送用機器、精密機器、電気機器、鉄鋼などが軟調に推移し、トヨタ、ホンダ、レーザーテック、キーエンスといった主力株が軒並み下落。一方、倉庫運輸や建設、保険といった内需・ディフェンシブ系はしっかりした動きを見せました。
個別では、ディスコ、アドバンテスト、三菱UFJなど半導体・金融株が売られ、パーク24は決算延期発表で急落。対して、ラウンドワンや東京計器、JCRファーマといった一部銘柄は強い動きを見せ、投資家の物色対象が絞られてきている印象です。
テクニカル的には、5月中旬以降の200日移動平均線を巡る攻防が続いており、先週末に一度上回ったものの、本日の下落で再び下抜け。昨年9月以降の下値支持線だった38,000円が、今や上値抵抗に変化してきており、相場の地合いの弱さが浮き彫りになっています。
今週は米国のISM製造業景気指数や雇用統計など重要指標の発表を控えており、市場には様子見ムードも漂っています。加えて、FRB要人の発言や欧米の製造業PMI確報値にも注目が集まっており、一段と神経質な展開が続きそうです。
短期的には下値模索の展開が続く可能性が高く、米中関係のさらなる悪化や米関税政策への懸念が市場の重石となりやすい一方、インフレ鈍化が確認されれば、利下げ期待が再び相場を支える材料となり得ます。円高進行が止まり、米経済指標がポジティブサプライズとなれば、リスクオンの巻き戻しも視野に入るため、今週後半から来週にかけての米経済指標の結果と要人発言がカギを握るでしょう。