7月1日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
今週、為替市場はドル安が優勢なスタートを切りました。ドル円は143円台に軟化し、ユーロドルは1.17台で底堅く推移していますが、ドル安の背景にはその理由が幾度も変化しており、投資家の頭を悩ませています。先週は「有事ドル高」が見られた後、米利下げ観測によってドル安に転じました。この動きは現在も続いており、ドル安のトレンドはしばらく維持される可能性が高いです。また、通貨オプション市場ではドル円の1ヶ月ボラティリティが上昇しており、日米金利差の動向に対する市場の警戒感が強いことを示しています。特に、今週は日米の金融政策会合も控えており、金利差が為替市場に与える影響は大きいでしょう。
さらに、7月9日には相互関税実施期限を控えた米国の動向も市場にとって重要な不確定要素です。日米通商協議は当初順調に進んでいましたが、自動車を巡る対立が表面化し、トランプ大統領が書簡を送付する可能性を示唆しています。これにより、貿易摩擦の懸念が再浮上しており、もし円高圧力が強まれば、日本経済にも影響が出るでしょう。特に輸出関連株に対しては重しとなることが予想され、今後の交渉進展が焦点となります。
国内株式市場では、日経平均株価が5日続伸し、年初来高値を更新しました。米株市場の好調を受けた影響もあり、朝方から買いが先行し、日経平均は一時701円の上昇を記録しました。しかし、後場にかけては利食い売りや短期的な過熱感を警戒した動きが見られました。特に電気・ガス業や情報通信業、鉱業株などが上昇し、米国の金利低下観測やリスクオンムードが後押ししたことが背景にあります。一方、輸送用機器や非鉄金属などは売られ、特に米国からの自動車関連の圧力が影響を与えているようです。
個別銘柄では、アトラエ<6194>、ナガイレーベン<7447>、ヨシムラFH<2884>などが大幅高となりました。とりわけヨシムラFHは、中国が日本産水産物の輸入を再開するとの報道を材料視して急騰しました。
一方で、商船三井<9104>やトヨタ自動車<7203>、ソニーグループ<6758>、レーザーテック<6920>などの主力銘柄の一部には利食い売りが出ました。とくに三陽商会<8011>は第1四半期の減益決算が嫌気され、急落しています。
来週は米独立記念日の祝日(7月4日)を控えており、週中に発表される米6月雇用統計(7月3日)が最大の焦点となります。ここで労働市場の減速傾向が確認されれば、7月FOMCでの利下げシナリオがより現実味を帯びてきます。
また、米シカゴPMIやドイツCPI速報などの先行指標も、インフレ・景気の「鈍化シグナル」が出るかどうかが注目されます。もし軒並み弱い結果となれば、ドル安傾向が継続し、それが日本の輸出企業にとっては一時的な逆風となる可能性もあります。
米国の利下げ観測が続く限り、ドル安トレンドは継続する可能性が高いです。これにより、円高圧力が強まる一方、日本の輸出関連企業には逆風となり、特に自動車株やエレクトロニクス株には一層の警戒が必要です。また、貿易戦争の進展や米国の経済指標によっては、株式市場の動向も左右されるため、引き続き注意が必要です。
日経平均は年初来高値を更新しているものの、過熱感が出ており、短期的には調整局面を迎える可能性もあります。利益確定売りや月末の持ち高調整が進む中で、調整が起きた場合には、前回のサポートラインや移動平均線が重要な目安となるでしょう。ドル円については、米利下げ観測の進展により、短期的にはドル安基調が続くと予想され、143円付近のサポートラインを注視する必要があります。
総じて、為替市場や株式市場は、米国の金融政策や貿易摩擦に左右される展開となりそうです。市場参加者は、経済指標や中央銀行の動向を注視しながら、柔軟に対応する必要がありそうです。