7月17日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
本日の東京市場では、為替市場が注目を集める展開となりました。ドル円は一時149円台まで上昇する場面があり、昨日発表された米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、インフレ圧力の根強さが再認識されたことが背景にあります。CPIは市場予想と概ね一致したものの、前回値より上昇していたことが市場にタカ派的な印象を与え、一時的なドル売り反応の後にはドル買いが優勢となりました。これにより、FRBによる年内利下げ観測が一段と遠のいたとの見方が広がり、ドル円の上昇圧力につながっています。
株式市場では、日経平均株価が前日比14円62銭安の39,663円40銭と小幅に反落しました。寄り付き直後には買いが先行し、心理的な節目である4万円台も意識される場面がありましたが、戻り待ちの売りに押されてその後は方向感に乏しい展開となりました。
業種別では、不動産、パルプ・紙、証券、保険、銀行などの金融・内需系を中心に下落しました。代表的な銘柄では、三井不動産や王子HD、大和証券グループ、東京海上などが軟調でした。一方で、その他製品や情報通信が買われ、大日本印刷、任天堂、KDDI、LINEヤフーなどが堅調に推移しました。個別銘柄では、ヨシムラ・フード、テラスカイ、いちごなどが下落する一方、JCRファーマやライドリンク、東宝などが上昇しました。
本日夜には、米国の6月生産者物価指数(PPI)が発表されます。市場予想は前月比でやや加速する一方、前年比では伸びの鈍化が見込まれており、仮に予想通りとなれば昨日のCPIとは異なるメッセージ性を持つ可能性があります。ただし、市場に与える影響という点ではCPIに比べて限定的とみられます。また、トランプ前政権の関税措置を見越した駆け込み輸入の影響も観測されており、PPIの前月比の動きに注目が集まります。
このほか、米鉱工業生産指数、MBA住宅ローン申請指数、カナダの住宅着工件数など複数の経済指標が発表予定で、さらにはFRB高官の講演やベージュブックの公表も控えており、市場の反応次第では為替・株ともに一段の変動要因となりそうです。
今後の動きは、まずは4万円の大台を巡る攻防が注目されます。昨日のCPIの結果や今晩のPPI、そしてFRB高官の発言を受けた米金利の動向が、リスク資産への姿勢に影響を与えると見られます。米長期金利が高止まりすれば、国内のハイテクやグロース株には重荷となりやすく、TOPIX型のバリュー株も選別的な動きが続く可能性があります。ただし、企業決算が本格化する中で、個別業績を手がかりにした物色が広がれば、指数全体の下支えとなる可能性もあります。総じて、当面は神経質な展開が続くと予想され、為替の動きと米金融政策への思惑が株式市場の主なドライバーとなるでしょう。4万円を明確に上抜けられるか否かが、夏場の相場の方向性を占う上で重要な節目となりそうです。