6月6日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
昨日の米国株式市場は、5月のADP雇用統計が予想を下回ったことや、ISM非製造業景気指数が50を下回るネガティブサプライズに見舞われるなど、米国経済の先行きに警戒感が広がる格好になりました。しかし、半導体株の堅調さが市場全体を下支えし、新たな関税交渉や材料待ちムードのもと、大きく動かないまま1日を終えています。このような米国市場の動きを受けて、東京市場でも日経平均は反落スタートとなりました。米国でダウ平均が5日ぶりに反落して引けたことが重しとなり、円高・ドル安に振れたことで輸出関連株が軟調に推移しました。
東京市場の大引けでは、日経平均が前日比192円96銭安の37,554円49銭となり、TOPIXも28.66ポイント安の2,756.47ポイントで終えました。東証プライム市場の売買高は約16.7億株、値下がり銘柄が約61%を占め、下落銘柄が多い一日となりました。業種別では、海運業や輸送用機器、石油・石炭製品など景気減速懸念の影響を受けやすいセクターが軒並み売り込まれましたが、一方で金属製品や陸運業、倉庫・運輸関連業など内需や物流関連には買いが入り、堅調に推移しています。
個別銘柄では、海運最大手の郵船〈9101〉や商船三井〈9104〉が売りに押され、三菱重工業〈7011〉やIHI〈7013〉などの機械株、任天堂〈7974〉やソニーグループ〈6758〉、ソフトバンクグループ〈9984〉といったハイテク・大型IT関連も売られ、川崎重工業〈7012〉やキーエンス〈6861〉、サンリオ〈8136〉、三菱UFJフィナンシャル・グループ〈8306〉など内外需問わず幅広い銘柄が重荷となりました。加えて、日本郵便の自動車貨物運送事業許可取消し報道を受けて日本郵政〈6178〉が大幅安になり、住友ファーマ〈4506〉や積水ハウス〈1928〉、川崎汽船〈9107〉なども値下がり率上位に顔を並べました。反対に、アドバンテスト〈6857〉やレーザーテック〈6920〉、東京エレクトロン〈8035〉などの半導体関連株は米国半導体株の好調を背景に堅調推移し、フジクラ〈5803〉、日立〈6501〉、ルネサスエレクトロニクス〈6723〉、楽天銀行〈5838〉、良品計画〈7453〉、メルカリ〈4385〉などの内需系でも物色が入りました。また、ダルトン大株主浮上の思惑が株価急騰を呼んだセンコーHD〈9069〉や、メンバーズ〈2130〉、双葉電子工業〈6986〉、東邦亜鉛〈5707〉などが上昇率上位に入り、薄商いの中で物色の幅が広がったのが印象的でした。
足元では、エヌビディアを筆頭に半導体関連が世界的に強含んでおり、日本市場でもこのセクターが下支え要因となりそうです。ただし、為替の動向や米国の経済指標次第では、再び大きくリスクオフに傾く可能性も否定できません。
特に注目されるのが、今週末の米雇用統計です。これが予想を下回る結果になれば、米利下げ観測が強まる一方で、「景気減速」のシグナルとして受け取られれば株安・円高のダブルパンチとなる可能性もあります。
短期的には、日経平均は37,000円を下値サポートにしつつ、38,000円台の回復に向けて半導体とインバウンド関連が主導する展開が続きそうです。ただ、週内のイベントを無事通過するまでは、上値はやや重たい展開が予想されます。
全体としては、米経済指標と為替動向を睨みながらの神経質な相場が続いています。ただ、半導体関連には引き続き資金が向かっており、セクター間の強弱感が鮮明になってきました。今は、材料出尽くしを待ちながら、主力株の押し目を丁寧に拾っていく姿勢が問われる局面かもしれません。