6月24日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場
6月23日の東京株式市場は、米国によるイラン核施設への攻撃を受けて、地政学リスクの高まりから売りが先行する展開となりました。米国はイランに対して「バンカーバスター」を使用した空爆を実施しており、事前に猶予期間が示唆されていた中での突然の行動に、市場は強く反応しました。
この攻撃を受けて、週明けの原油先物価格は急騰しましたが、その後は急速に上げ幅を縮小しており、原油市場のパニック的な商状には一旦の落ち着きが見られます。株式市場でも日経平均株価は一時376円超下落する場面があったものの、終値は49円14銭安の38,354円09銭と、下げ幅を大きく縮めて取引を終えました。東証株価指数(TOPIX)も10.08ポイント安の2,761.18ポイントとなっています。
為替市場では、安全資産としての円買いよりも、リスク回避のドル買いが優勢となり、ドル円は147円台での推移が続いています。この円安基調が、国内株式市場における一定の下支えとなった可能性があります。ただし、イランがホルムズ海峡の封鎖を議決したことや、今後の報復攻撃の可能性を考慮すると、円売りの動きがリスクオンとは言い切れない面もあります。中東情勢の緊迫化が、日本経済と企業収益に与える影響も警戒されております。
業種別では、全33業種中21業種が下落し、特に電気・ガス、非鉄金属、鉄鋼、空運、化学、電気機器、証券などが売られました。一方、鉱業や精密機器、食料品など12業種は上昇しており、エネルギー関連やディフェンシブ銘柄への資金シフトが確認されます。
個別銘柄では、INPEX<1605>や石油資源開発<1662>などの原油関連株が上昇したほか、IHI<7013>、キオクシアHD<285A>、ミガロHD<5535>なども買われました。一方、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>などの半導体関連や、トヨタ<7203>、任天堂<7974>、ソニーグループ<6758>などの主力株は軟調に推移しています。
東証プライム市場全体では、値上がり銘柄数が653、値下がりが915、変わらずが58銘柄となっており、売り優勢の地合いが継続しています。売買高は15億7,890万株、売買代金は3兆8,328億円と、活発な商いが見られました。
米国市場では、FRBウォラー理事の早期利下げ発言や、トランプ前大統領による外交的解決への含みなどが買い材料となった一方、中国への半導体規制強化の観測が売り材料となり、指数はまちまちで引けました。このような中、6月のPMI速報値や中古住宅販売など、今後発表予定の経済指標への注目が高まっています。PMIに関しては、欧州では改善が見込まれる一方、米国はやや悪化が予想されていますが、総合指数は依然として拡張域の52.1を維持する見通しです。
中東情勢の緊迫化は依然として市場の不安材料ではありますが、米国や欧州の要人による外交的解決への言及が見られる中、過度なリスク回避姿勢はやや後退しています。原油価格が落ち着きを見せていることも、投資家心理の安定に寄与しています。
今後は、欧米で発表される6月のPMI速報値や米国の中古住宅販売件数などが市場の注目材料となります。特に米国の総合PMIが50を超える見通しであることは、経済の底堅さを印象付ける可能性があります。また、FRB関係者から利下げに対する柔軟な発言も出始めており、金融政策期待が相場を下支えする局面も想定されます。
日本市場においては、半導体関連や防衛・資源株などのテーマ性を持ったセクターに資金が向かいやすく、押し目買いの好機と捉える投資家も増えています。為替市場の円安傾向が企業業績にプラスに作用する面もあるため、今後は業績修正期待が再び相場を牽引する可能性があります。
全体として、市場は地政学的な不安要因を織り込みながらも、先を見据えた買い意欲が着実に戻ってきているように見受けられます。短期的な変動には注意が必要ですが、良好なファンダメンタルズと政策支援に支えられた相場展開に、引き続き前向きなスタンスで臨みたいところです。