8月12日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場とこれからの見通し
一方で、今日の上昇をそのまま全面的な強気相場への転換と見るには慎重さも必要です。TOPIXは上昇したものの、33業種中18業種の上昇にとどまっており、指数の上昇ほど市場全体に買いが広がったわけではありません。半導体・AI関連や一部の好決算銘柄が指数を押し上げた一方、決算が市場期待に届かなかった銘柄には売りが出るなど、銘柄選別の動きはかなり強くなっています。また、日経平均は短期間で大きく戻してきただけに、利益確定売りも出やすい水準です。明日11日は祝日で現物市場が休場となるうえ、夏季休暇による市場参加者の減少も重なり、後場に入ってから上値を追う勢いが鈍ったのは自然な動きだったと考えます。むしろ、6万7000円台を一時回復した後も大きく崩れず高値圏を維持した点は、短期的な需給が改善していることを示す動きとして評価できます。
為替市場では、ドル円が157円台後半から158円台前半へと円安方向に戻しており、先週末の米雇用統計を受けたドル安・円高の動きの大部分を取り戻しています。介入観測による円買いの反動に加えて、円売りキャリートレードの根強さや米金利の底堅さもあり、円安圧力は依然として強い印象です。1ドル=158円台の円安は輸出関連企業の業績期待や株式市場への資金流入を支える一方、円安が急速に進めば政府・日銀による為替対応への警戒感も高まりやすいため、単純に株高要因だけとは考えにくいところです。さらに中東情勢によって原油価格が上昇すれば、インフレ懸念から米金利が上昇し、ドル高・円安が進む可能性がある一方、地政学的なリスクが高まれば株式市場ではリスク回避の動きが強まる可能性もあります。このため、今後はドル円の方向だけでなく、原油価格と米金利をセットで確認する必要がありそうです。
これからの動きをテクニカル的に見ると、今日の大幅反発によって短期的な下落トレンドからの修正が一段と進んだと考えます。6万7000円台を一時回復したことは心理的にも大きく、今後この水準を終値ベースで明確に上回ってくれば、6万8000円台から6万9000円近辺を目指す展開も期待できます。ただし、短期間で1000円を超える上昇となったため、過熱感も徐々に強まっています。6万7000円前後で上値を抑えられ、6万6000円台を割り込むような動きになれば、いったん6万5000円台まで押し戻される可能性があります。したがって、ここからは「上昇するか下落するか」よりも、6万7000円台を維持できるかが短期的な重要ポイントになりそうです。
ファンダメンタル面では、先週末の米雇用統計によって米金融政策を巡る不透明感がやや和らいだことは日本株にとって追い風です。ただし、12日に予定される米CPIが今後の最大の焦点となります。インフレが市場予想以上に鈍化すれば、米金利低下と米株高を通じて日本株にも一段の上昇余地が生まれそうです。一方、CPIが予想を上回れば利上げ観測が再び強まり、米金利上昇とハイテク株売りにつながる可能性があります。特に現在の日経平均は半導体・AI関連株への依存度が高いため、米ナスダックやSOX指数の動向には引き続き注意が必要です。現状では、今日の大幅反発によって相場の基調は再び強気に傾きつつありますが、6万7000円台を定着できるか、そして米CPIを無難に通過できるかが次の上昇局面に進めるかどうかの分岐点になるとみられ、基本シナリオとしては、短期的な利益確定売りを挟みながらも、米国株と為替が大きく崩れなければ6万8000円台を試す展開が予想されます。
