8月19日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場とこれからの見通し
一方で、東証プライム市場では値上がり銘柄と値下がり銘柄が拮抗しており、全面安というわけではありませんでした。原油高を背景に鉱業や石油・石炭製品、海運などが買われたほか、医薬品などディフェンシブ関連にも資金が向かっています。この点から見ると、本日の下落は日本株全体に対する悲観というより、直近まで急ピッチで上昇してきたAI・半導体株を中心としたポジション調整の色合いが強かったと考えられます。特に日経平均は短期間で大きく上昇していただけに、今回のような大幅な利益確定売りは、ある意味では自然な調整ともいえます。
ただし、今回は国内の長期金利が一時2.945%まで上昇し、約30年ぶりの高水準となったことも無視できません。金利上昇はバリュエーションの高いグロース株や半導体株にとって逆風となりやすく、これまで相場をけん引してきた銘柄ほど売りが出やすくなります。また、中東情勢の不透明感が強まり、NY原油先物が85ドル台まで上昇していることも気になります。原油高が長期化すれば、日本企業にとっては輸入コスト上昇による交易条件の悪化につながるため、円安で輸出企業の採算が改善するメリットだけでは吸収しきれない可能性があります。
為替市場ではドル円が159円台後半まで上昇し、為替介入後の戻り高値を更新する動きとなっています。円安そのものは自動車や機械など輸出関連企業には追い風ですが、160円が目前に迫ることで政府・日銀による介入警戒感が強まりやすくなっています。さらに今回は中東情勢を背景とした有事のドル買いと、原油高による日本の交易条件悪化を意識した円売りが重なっており、単純な日米金利差だけでは説明しにくい円安になっています。個人的な雑感としては、ドル円が160円に接近するほど日本株にとって必ずしもプラスとは言い切れず、むしろ為替介入への警戒と原油高による企業コスト上昇が意識され、相場の不安定要因になりやすい局面だと感じます。
これからの動きをテクニカル的に見ると、本日の1760円近い急落によって短期的には明確に過熱感が後退しました。6万8000円を割り込んだことで、まずは6万7000円前後が下値の攻防ポイントになりそうです。ここで下げ止まり、6万8000円台を早期に回復できれば、今回の下落は上昇トレンドの中の一時的なスピード調整と判断できます。一方、6万7000円を明確に割り込み、6万6000円台まで下落するようなら、短期的な調整がもう一段深くなる可能性があります。ただ、直近の上昇局面で形成された上昇基調そのものが、現時点で完全に崩れたと判断するのは早いでしょう。
ファンダメンタル面では、米国のインフレ鈍化や小売の弱さが確認されていることから、米金融政策の先行きには株式市場を支える材料が残っています。一方で、米長期金利の上昇、中東情勢、原油価格、国内長期金利の上昇という新たな不安材料も出てきています。さらに来週にはジャクソンホール会議を控えているため、それまでは積極的に上値を追うよりも、経済指標や要人発言を確認しながら神経質な値動きになりやすいでしょう。したがって、目先は6万7000円を中心に下値を確認する調整局面を想定しますが、米国株が落ち着き、長期金利が低下し、半導体株に押し目買いが入れば再び6万8000円台、さらに7万円方向を目指す展開も十分に考えられます。逆に原油高と金利上昇が続けば、6万6000円台までの調整を警戒する必要があります。現時点では「上昇トレンドが終了した」というより、「急ピッチな上昇に対する本格的な利益確定・過熱修正が始まった」と見るのが妥当でしょう。
