6月9日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場とこれからの見通し
今回の下落の最大の要因は、先週末に発表された米5月雇用統計です。非農業部門雇用者数が市場予想を上回り、前月分も大幅に上方修正されたことで、米国景気の底堅さが改めて確認されました。しかし市場はこれを好感するのではなく、FRBによる追加利上げ観測の高まりとして受け止めました。米長期金利は上昇し、これまで世界の株高を主導してきたAI・半導体関連株に利益確定売りが集中しました。
為替市場ではドル円が160円台に乗せて推移しました。通常であれば円安は日本企業の業績面で追い風となりますが、今回は米金利上昇によるリスクオフ色が強く、円安効果はほとんど意識されませんでした。むしろドル高進行そのものが米金融引き締め長期化への警戒感を映し出しており、株式市場にはマイナス要因として受け止められたようです。
もっとも、日経平均は一時3,100円超安まで売り込まれた後は下げ渋る場面も見られました。短期的な売られ過ぎ感が意識されたことに加え、急落後の米国市場の動向を見極めたいとの思惑から新規の売りもやや鈍りました。ただ、積極的な押し目買いが入る状況には至らず、市場全体には慎重姿勢が残ったまま取引を終えています。中東情勢の不透明感や原油価格の動向も引き続き懸念材料となっており、投資家心理を圧迫しています。
これからの動きをテクニカル的にみると、短期間で急落したことで過熱感はかなり解消されました。日経平均は64,000円近辺で一定の下値支持を確認しつつあり、短期的には自律反発が入りやすい局面にあると考えられます。ただし、高値圏からの急落によって上値には戻り売り圧力も強く、当面は64,000円から66,000円台を中心とした値動きの荒い展開が続きそうです。
一方、ファンダメンタル面では依然としてAI需要の拡大や企業業績の成長期待に大きな変化はありません。しかし、最大の焦点は米長期金利とFRBの金融政策です。今後の米インフレ指標や景気指標次第では利上げ観測が後退し、半導体・AI関連株を中心に再び資金が戻る可能性があります。逆に、米金利上昇が続き、中東情勢悪化による原油高が重なれば、さらなる調整局面入りも警戒する必要があります。
現時点では長期上昇トレンドそのものが崩れたというよりも、急ピッチな上昇に対する大幅な調整局面との見方が妥当でしょう。短期的には不安定な値動きが続くとみられますが、米金利の落ち着きとともに市場心理が改善すれば、日経平均は再び上昇基調を取り戻す可能性が高いでしょう。
