9月11日 今仕込んでおきたい注目の銘柄 |
今日の相場とこれからの見通し
これからの動きをテクニカル的にみると、日経平均は9月2日以降の急落によって6万4000円近辺まで下押しした後、きょう6万5000円台を回復しました。きょうの高値引けは短期的には買い戻しの強さを示すポジティブなサインです。まずは6万6000円前後を明確に突破できるかがポイントで、ここを回復できれば6万6500~6万7000円方向への戻りを試す展開が期待できます。ただし、6万6000円台では75日移動平均線などの抵抗が意識されやすく、ここで再び失速するようなら、今回の反発は単なる自律反発だったと判断されやすくなります。逆に6万4000円近辺を再び割り込むと、下値模索が再開する可能性が高まります。
ファンダメンタル面では、半導体関連についてTSMCの好調な月次売上高は明るい材料であり、AI・半導体需要そのものが崩れたとはまだ考えにくい状況です。その一方で、原油高、米金利上昇、中東情勢、日銀の追加利上げ観測という複数の不安材料が重なっているため、上値を一気に追うよりも、悪材料を一つずつ確認しながら戻していく展開が基本になると考えます。目先は米PPI、米CPI、原油、ドル円の組み合わせが最大の焦点です。これらが落ち着けば6万6000円台から6万7000円台への戻りを試す可能性がありますが、インフレと金利上昇が再び強まれば、6万4000円近辺までの押し戻しも十分に想定しておく必要があります。現時点では「下落トレンドの中での自律反発」という見方を維持しつつ、6万6000円台を突破して定着できるかどうかを確認する局面になるでしょう。
しかし、きょう重要だったのは、そこからの値動きです。日経平均は前場の弱さを引きずることなく、後場に入ると徐々に下げ幅を縮小し、節目の6万5000円を回復しました。さらに引けにかけてプラス圏へ浮上し、最終的には両指数ともに高値引けとなっています。これは、単純な「弱い相場」ではなく、下落局面では買い手が待ち構えていることを示す動きと考えられます。特に、KOSPIの持ち直しをきっかけにキオクシアやレーザーテックなど半導体株の一角に買い戻しが入ったことは、直近の急落によって短期的な売られ過ぎ感が意識され始めていることを示しています。TSMCの8月月次売上高が好調だったことも、半導体需要に対する過度な警戒を和らげ、先物を通じて日本株の買い戻しを誘発したとみられます。
一方で、全面的にリスクオンへ転換したわけではありません。33業種のうち上昇は16業種、下落は17業種と、物色の広がりはまだ限定的です。銀行や証券株が買われたのは、米長期金利の上昇が金融株の収益環境にとってプラスと受け止められたためですが、裏を返せば、金利上昇そのものが株式市場全体には警戒材料として残っています。つまり現在の市場では、「金利上昇は金融株には追い風だが、株式市場全体には逆風」という綱引きが起きています。
今晩はECB理事会と米PPIが控えているため、海外市場の動向によっては、きょうの反発が一時的なリバウンドに終わる可能性もあります。特に米PPIが市場予想を上回れば、インフレ再燃への警戒から米長期金利がさらに上昇し、ドル高と同時に米国株、そして日本株にも再び売りが波及する可能性があります。加えて、中東情勢が長期化し、原油価格が95ドル台という高水準にとどまっていることも無視できません。原油高が続けばインフレ圧力が強まり、世界的な金融緩和期待を後退させるため、株式市場にとっては依然として大きなリスクです。
為替市場でも、この綱引きが表れています。ドル円は一時152円台後半まで円高が進んだ後、154円付近までドルが買い戻され、現在は153円60銭前後でもみ合っています。米金利の高止まりはドルを支える一方、日銀の追加利上げ観測や米財務省による円安牽制が円高材料となっており、方向感が出にくい状況です。ここからドル円が再び154円台を明確に上回れば、日本株には安心感が出やすくなりますが、152円台へ再び円高が進む場合には、輸出株や日経平均の上値を抑える材料になりそうです。
